今日から、ここから、この場所から2016年12月20日 20時46分14秒

★我の人生がまだ続くのならば

 どうしようもない人生を生きている。おそらく多くの人たちもまた同様かと思うが、事態はさらに悪化し、出口も見えずますます身動きとれなくなっていく。
 生きていてもその先に希望の光は見えない。ますます今よりもっと失っていくばかりのように思える。
 果たして、死の前に、楽に、安穏とできる日が我に来るのであろうか。

 しかし、人生とはそうした苦しく辛いものだと規定して、それでも生まれてまだ死なずに生きているのならば、それはそれで何か意味や意義のような「役割」があってのことだと考えるしかない。でないと、もう死んだ方がマシになる。

 われを もっとも理解し愛してくれた母を亡くして、その後も、ほぼ犬猿の仲である、認知症の父との二人暮らしを余儀なくされ、正直、いったいこれは何の罪で、何の因果でこんな責め苦のような日々が残されたのかと自問しつつ生きて来た。
 何度も父を殴り殺して、この家に火をつけて我もまた自殺しようと考えたことか。亡き母のためにもそんなことはできないと思いつつも、あの世や天国すら在る保証はないのだから、先に逝った者に何も義理立てすることもないわけで、ともかく「今」、このときをどう乗り切るかだけで必死であった。

 ただ、その父だって、今がもう92歳なのだから、あと十年も生きるはずもない。ならば後もう少しの辛抱だと考えて、ただ堪忍、耐え忍んで毎日やっていくしかない。
 すべてのことに意義があるのならば、父でなく母が先に死に、不仲の父と暮らす役割を与えられたのもそこに、それもまた神の計らいなのであろうと思うしかない。まだ、我はその役割=責務をはたしていないということなのか。

 母が死んで、この家はめちゃくちゃになってしまった。元に戻す以前に、我が人生もまたふり出しに戻り、何もかもが、デフォルトの状態、いや、初期設定からやり直さねばならなくなった。
 この歳になってそれはしんどい。が、まだ我は体調すぐれずとも病に倒れてはいないし、身体もまだ動ける。気持ちだけは青春時代と変わらない。いや、そもそも我に青春なんて、甘い響きの時代があったのであろうか。
 常に何もわからず何も考えず毎日悩み迷いつつ、好き勝手にバカなことや面白そうなことだけを求めて生きて来ただけだった。
 そうして気がつけば浦島太郎のように老いさらばえて、母も失い、どうしようもなく手のかかる父だけ残され、今途方に暮れている。

 しかし、まだ我はたぶんすぐには死なないのならば、この先もまだ人生が続くと考えて、とにもかくにも毎日生きて行かねばならない。
 この12月23日もまた、拙宅で、ごくごくささやかにだが、クリスマス謝恩パーティをやることにした。
これは毎年恒例で、この10年は続けているかと思う。様々なミュージシャン、シンガーが参加され、夕刻からだらだらと薪ストーブで焼いた鶏をつつきながら、赤ワインをあけ、唄いながら聴きながら語らいながら、その年を振り返って来た。
 今年はどうしようかと迷いもしたが、今現在、二人の方が参加されるとのことで、ならばその人たちのためにも今年もまた、ごくささやかに小規模にだけど、開催することにした。
 人が生きていくよすがとなるのは、我が事だけでなく、誰かのために、誰かに求められて、こんな自分でも何か役立てるという思いがあるからだ。好きな言葉ではないが「認証」ということなのであろう。
 人が生きていく自らの「証」となるのは、そういうことなのではないか。

もし、無人島で、そこにインターネットが繋がりヤマトの宅配便が何でも届けてくれるとしても、ブログも含めて、「他者」とは誰とも繋がらず、何も「発信」できないとすれば、どれほど快適な暮らしだとしても、我は自殺すると思える。
 人が生きていくとは、誰かと関わり、誰かのために少しでも役立っている、何か繋がっている、と思える「関係」があるからだ。それが無いのならば、人はたった一人では生きていけない。
 いや、誰からも認証されなくてもかまわない。ただ、誰かのために、拙い歌を唄い下手な笛を吹くように、そうした「行為」を外へと示したい。もしかしたら誰か、通りすがりの人が足を止めて聴いてくれるかもしれない。
 そうした期待があれば、人は一人でも生きていける。

 というわけで、今年もまた拙宅で、クリスマス謝恩ライブ無しパーティをすることにしました。どなたでもお気軽にお越しください。堅苦しく考えず楽しくだらだらと呑んで食べてそれぞれの人生の重荷を一時下ろせたらと思います。

 我の人生がまだ続くのならば、今日から、ここから、この場所から、大変でも一つ一つ少しでも進めて行こうと決意した。
(おそらく)誰にとっても、人生は辛く大変で、面倒なものだと仮定して、ならばこそ、それぞれのその大変な人生を、助け合って生きていくために。

がんばろう、と思い直しました。

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