“魔女の一撃”ギックリ腰2011年02月09日 23時53分26秒

★その後の経過報告を

 西欧の諺では、ギックリ腰のことを「魔女の一撃」と呼ぶそうだが、これは実にうまい喩えだと思う。あれから5日過ぎて、ようやく恐る恐る歩けるようにはなってきたが。しかし完治にはほど遠く、日に何度もギャッという悲鳴を上げている。元々は一瞬の強烈攻撃であったが、未だその余波というか、弱まりつつも魔女は攻撃の手を緩めていないのである。今はまだ咳をするのにも覚悟が要る。

 ギックリ腰とは突発性の急性腰痛症というのが正式病名なのだろうが、魔女に襲われたことのない人はいったいどういう状態なのか検討もつかないだろう。
 自分の場合、この痛みには経験なくはなかったが、今回のようにまったく突然に、一瞬にして、つまり一撃を受けて激痛に声上げて苦しむことは初めてであった。かつて友人がやはりこれで寝たきりになり唸りつつ整体だか骨接ぎに通った話は聞いていたが、そのときは大袈裟にと嗤ってしまったが、当事者としては筆舌に尽くしがたいほどの激痛なのである。

 今は時間が経ったのでだいぶ楽にはなってきて、動かないでじっとしていれば怪我した傷口のようにズキズキ痛むことは全くない。それでもへんな向きに腰を捻ったりするとそのとたん、ウッと声上げるほどの痛みが襲う。
 歩くのもようやくできるようになってきたが、それは腰を庇いつつ恐る恐るすり足で何とかだし、下手に前屈みになると、またギャー、段差があるとギャー、つまづいたりするとまたギャーと心臓悪い人なら命がちぢむ。
 しゃがむこともできなくはないが、それは体を真っ直ぐ静かにそっと垂直に降ろすのことは可能でも、下手に前屈姿勢をとるとまた激痛で、自らは何かにつかまらずに立ち上がることすらできやしない。これが起きた当日は、無理して母を病院に連れて行くため歩いたが、痛みのあまり歩きながらしなしなとその場に崩れ落ち動けなくなる、つまりまさに「腰砕け」に何度となくなってしまった。

 ものの本によると、せいぜいコルセットして、安静にしじっと時間の経つのを待つしかないらしい。2~3週間はかかるようだ。ともかく腰に負担をかけないよう、寝てても同じ姿勢ではやはり痛くなってくるし、実はこうしてブログ書くためパソコンに向かうのもイスにずっと座ることになるので少しすると痛くなって立ち上がれなくなってしまう。無理すると慢性化するとも聞く。

 どうしてこんなことになってしまったかと嘆く気持ちもあるが、幸い今は母も入院して不在だし、工事の大工も来なくなったので、痛む体を押して無理しないですむのでだいぶ精神的には楽だ。

 それでも月日は過ぎていくばかりで、何もできずに焦る気持ちもなくはないが、そんなときは良寛和尚の名言を思い出し気持ちを諌め静めている。
 『災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。死ぬる時節には死ぬるがよく候。是はこれ、災難をのがるる妙法にて候』

 そう全てをただ受け入れて、これはこれも仕方ないと抗わずに生きていくしか今できることはない。皆さんも魔女に襲われないようどうかご注意を。中腰になって無理な前屈姿勢はとらないことです。