9.11~3.112014年09月11日 21時47分11秒

★故郷を追われ死んでいった者たちの魂は・・・         アクセスランキング: 125位

 今日は世界のカタチを大きく変えるきっかけとなった米国の同時多発テロの日であり、東日本大震災から三年半の節目の日である。

 ところがその日に、朝刊には、大きく「川内原発規制基準適合」と、これから再稼働を進めることの決定が載っていた。
 いまだに約24万人もの人が震災と原発事故などで故郷を追われ仮設住宅などで避難生活を強いられ、原発事故関連死が少なくとも事故後千百人を超す(東京新聞の調べ)というのに、また臆面なく原子力発電所をこの国は稼働させていくのである。

 テレビのニュースなどでは、その地元の住民の声として、稼働を求め歓迎する意見が多く紹介されていた。確かにろくに産業もない町では原発こそがほぼ唯一のいちばん金が入る、地元に金を落とす根幹産業なのであろう。しかし隣接する周辺自治体の住民からは今も火山が噴火した際のことも含めてその安全性に大きな不安があるとの慎重意見が多数出ていた。そうした現実の中、原子力規制員会は、新しく定めた規制基準を満たしていると審査「適合」としたのである。

 また米国では、ノーベル平和賞受賞者オバマ大統領は、9.11の同時多発テロ報復戦争の教訓はどこ吹く風で、本日その9.11にまた中東シリアにテロリストの拠点をめがけて空爆を指示した。

 この世の中は全て何らかの関係があり、仏教で言えば因果応報なのだろうが、今日のこの二つのニュースには複雑な思いを抱いた9.11であった。9.11とその半年後の3.11、そこには深い意味があると思える。込められたメッセージをどう受け取るかだ。思うに、人はいつまでたっても何一つ過去から学ばず、また新たな過ちと選択を繰り返すのだと。

 つまるところ歴史とは過去の死んだ人のたちのものではなく、今ある、生きている我々のものなのだからどうにもいかようにも好き勝手に動かせるものなのであった。
 しかしそうだとしてもその「過去」のできごとから何も学ばないとするならば、先の戦争で死んだ者も含めて、その出来事で死んでしまった人たちの気持ちはどうなるのであろうか。
 原発事故で住み慣れた家、故郷を追われて体調を崩し心を病み結果として命を縮められてしまった人たちの思いはどこに向かうのか。
 怨霊などというものは信じないが、望まずに死ななくてはならなかった、殺されてしまった人たちの魂は今どこにあるのだろうか。あの世で今の我々の姿を見下ろして何を思うだろうか。

 今生きている我々は我々だけの人生や生活を享受するだけではなく、そうして死んでいった人たちの「無念」に思いをはせる義務があるのではないか。
 歴史とは過去に目を閉ざせばまた結果同じ過ちを繰り返す。まして大昔の話ではない。だれの記憶にもあるつい先日のことだ。だのに、そんなことはなかったように、今も避難生活を余儀なくされている方々が多数いるのに、再び安全性及び避難計画に疑念ある川内原発を稼働させる決定がなされたのだから本当に罪深いことだと嘆ずる。またもや原発は神話的に絶対安全であり、もし万が一のことが起きればそれは想定外の未曾有の出来事なのであろう。

 それもこれも安倍自民党政権のアベノミクスという怪しげな庶民には何の恩恵も実体もない景気浮揚策の一環で、世界各地に原発を輸出し外貨を大企業が稼ぐためにはまず日本国内で原発を稼働させ安全性を内外に示さないとならないからだ。
 経団連など大企業から堂々と献金を受けて、彼らのために、彼らが儲かるための政治を今後も続けていく。

 米国が戦争国家として、世界の安定平和のために、それを口実に永遠に戦争を続け、仕掛けていくように、過ちを過ちとして認めることは決してしないのが政治家とその取り巻きなのであろう。

 そうした政治家たちを選び許してきたこの日本人。秘密保護法と憲法解釈の変更でもうギリギリの待ったなしのところまで来てしまった。その先にあるのは米国に倣った強い国であろうともこの国は今地滑り的に破滅へと突き進んでいる。

 思いを遺して死んでいった人たちのためにも過ちの歴史は絶対に繰り返してはならない。そのためにまだ我々にはできることがきっとある。
 今日誓い新たにこれからできること、すべきことを真剣に考えている。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://masdart.asablo.jp/blog/2014/09/11/7433267/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。