季節は秋へと、時は過ぎていく。2016年08月28日 16時01分54秒

★母と過ごす最後の夏に

 外は雨はやんだが、どんよりとした曇り空。おまけにうすら寒い。体脂肪がなくなり痩せ衰えた母は、真夏の盛りでも寒い寒いと騒ぐ人なので、今日からはエアコンのスイッチは冷房から暖房に切り替えて入れた。これまで毛布だけですんでいた母のベッドに薄い羽根布団もかけてきた。
 じっさい我もTシャツに半ズボンでは寒いほどで、もう季節は秋へと移り変わったことを今日強く感じている。このままだと我も風邪をひく。
 こんな天気のせいか、夏休みでいつも騒いでいる隣家の子供たちは今は静かで、まだ8月末だというのに、晩秋のようなたたずまいの日曜夕方時である。

 今さっき、来て母のオムツを交換してくれたヘルパーが帰った。実はまた便秘気味にちょっとなりかかっていて、28時間出ないので、さてどうたものかと案じていた。長く出ないということはイリウス=腸閉塞気味なのである。医者に連絡するほどではないが、いずれにせよ今日は日曜である。
 幸い今日の午前4時に、また便は出始め、そしたらばこのところのパターン通り、間を空けず続けて下痢が続き、以後今現在で4回目である。
 出ないより出た方が良いわけだが、さすがにうんざりもし、我も中腰での作業なので腰が痛くなってきた。幸いヘルパーが来て、足湯やってもらっているところに出たので、全部お任せして我は一回楽できた。

 夕方、犬の散歩まで少し時間あるし、晩飯までもしばし余裕ある。今日は日曜なので本の発送も明日でかまわない。母はオムツ替えてもらいさっぱりして、暖房の入った部屋で深く眠っている。
 我も少し昼寝しても良いのだが、もうすぐ犬たちが騒ぎ出すのでさほど時間はない。久々にほんの少しだが、ぽっかり空いた時間にこれを記している。

 母の便がまた出始めたこともあって今日の我は心静かな気持ちでいる。
 昨日は、雨の中、ヘルパーが来てくれる時間を見計らって、車でパソコンを修理に出しに立川まで行ったが、見積もりだけ出してもらったところ10万にもなるとのことで、もう修理は諦めた。後はいかにしてうまく入っているデータだけでも取り出せるかだ。
 そんなで一日憂鬱な気分に襲われた。
 そのパソコンは富士通のわりと新しいやつで、OSは8.1が入っている。去年の秋早く、暑い日が続いていた頃、エアコンの入っていない裏の部屋で、常に待機状態のままにしていたら、ディスプレイが壊れてチカチカ点滅するようになってしまった。わずか3年も使っていないかと思う。
 メーカーに電話相談しても、それは預かって修理となるけれど、ハードディスクの交換まで含めるとやはり10万近くかかることを説明された。そして、データも消えてしまうだろうと。
 そんなこともあって、自分でともかく少しづつUSBメモリーに動かされるデータだけでもバックアップとろうと考えていたのだが、我が責任者となったコンサートなどでいろいろ慌ただしいところに母の具合もどんどん悪くなってしまい、一切何もできないままちょうど一年が経ってしまった。
 それを何で今修理を、と考えたというのは、それはテレビも観れるタイプのだからで、今母の寝ている部屋は、テレビがなくラジオしか聴けないこともあって、もう寝た切りならばせめてベッドの上からでも好きな歌番組など見せてやりたかったからだ。

 立川のパソコン修理専門店の人の話では、ディスプレイだけでなくハードティスクにも問題が見つかったとのこと。我の人生は失敗と後悔の連続だが、何でかなあ、さて、どうしたものかとやはり気持ちは落ち込んでしまった。しかも今回のその見積もりだけで七千円近く払うのである。
 まあ、パソコンのことはもう考えないとしても、何としても一日も早く母に居間にいるのと同じくテレビや映像が好きに見れる、音楽も聞ける環境を作ってやりたい。それもそんなにもう時間はない。
 食事や排便・オムツ交換のとき以外はただひたすらベッド上で、こんこん、うつらつうつら眠り続けている状態はどう考えても良いとは思えない。今さら体起こして歩けるように、とリハビリも難しいのが現状なのだからこそ、少しでも外部と繋がる、刺激受けるためにテレビでも見せないことには母までボケてさらに弱ってくるだろう。

 我にだけでなく、母宛てに母の友人知人からいろいろお見舞いの品ハガキ等が送られてきている。が、日々看護に追われて何一つ御礼の返事すら出せないでいる。
 何とか早くテレビの件と今月内には、そうした御礼の返礼だけでもきちんとしたいと考えているのだが、日々食事作りとおむつ交換、それに犬猫の世話だけで手いっぱいで困っている。

 先日来てくれた妹の話では、関西から九州にかけては今年は連日激しい猛暑で、しかも彼女の地方では雨が一切降らないで田んぼまで水がなくカラカラだとこぼしていた。
 我の住むこちら、東京多摩地方は、8月に入ってからは台風が次々来ることもあって雨ばかりでしかも気温も低い。今年は夜暑くて眠れないなんてことは一日もなかった。
 涼しく雨が多いのほうが楽ではあるけれど、このままだといずれにせよ農業に影響出てくるのではないか。妹の地方では早くも今年の米は不作間違いないそうだ。

 どこにいたって楽な人生なんてありゃしない。今この世では一人安倍晋三一派たちだけが浮かれて我が世の春を謳歌している。もう彼らには何一つ怖いものなどない気分であろう。このまま永世、自公政権が続くと信じ込んでいよう。
 だが、どれほど栄華を誇った王国でもやがては足元からガラガラと崩れていく。それは歴史が証明しているし、旧約聖書はそうした事例の羅列である。
 ならばこそ、常にどんなときでも変わらない、そのときそのときの浮世の風に吹かれても動じないものを我らは探し求めて大事に信じていきたいと願う。

 政治状況に関しても先の参院選、都知事選から我が考えたことを書きたいとずっと思っている。が、今はその時間がどこにもない。
 ただどんなときでも、憂鬱気分に見舞われようと、人は絶望し自暴自棄になってはならないということだ。
 希望はどこにある? 夢はあるか? そこに自由はあるか? そう、なければ自らが作り出していこう。自由とは外に求めるものではなく、我が内にあるものだと母の介護を通して我は知り得た。

 大変じゃない人生なんてどこにもない。どんな状況でも絶望せずに、皆さんがんばりましょう!

 外は犬たちが散歩に行きたくて吠え出した。