これまでのこと・32021年10月22日 14時28分27秒

★父が存命の間に~なんと我が父は昨日で97歳になりました!

 このところ強く願い常に考えていること。ともかく今、自分が抱えているもの、これまで続けてきたことをここらで(いったん)全て終わらせ無くしていこう、ということだ。
 今年2021年は、あの大震災から10年、そして母の死から5年という節目の年でもあるが、ともかく父がまだ生きているうちに、これまでのこととは区切りをつけて次の段階、つまり父亡きあとの人生に移行していかねばと強く突き動かされる思いでいる。
 もうこれ以上、これからも「過去」の物ごと、家の片づけもだが、溜まりにたまった事案に(その処理に)振り回されたくないし、ともかく全てをここらで、つまりまだ体も動き時間があるうちに終わらせていかないと大変なことになるという、いよいよ老い先短くなっての切迫感である。
 ようやく、我が責任負う谷保かけこみ亭での連続企画「共謀コンサート」も年内あと一回で終わりにさせて頂くこととなったし、何につけ先行きやらねばならない、縛られることがないフリーな状態に身を置いて、本当にじっくりと自分のこと、家のことに向き合いたい。

 今住むこの家も2021年に増改築が成ってからちょうど10年で,その以前からある旧い部分も含めてあちこち家中ガタが来て屋根も外壁もメンテナンスの必要に迫られている。家の中も荒れ放題なのはまた別の話だが。
 自分の人生があとどのぐらいあるのかはわからないが、基本、家のことは自分で手を加えて自らやっていく主義なので、まだ60代半ばなら身体も動くし、手伝いに来てくれる有難い友もいよう。
 これが70代過ぎてとなると心もとないし、たぶんもうそんな気力も体力もない。今のうちに、我が人生全てをメンテナンスしていかねばと強く思う。

 これが、真っ当なカタギの人ならば、子育ても終わり、定年退職後の年金暮らしの悠々自適となって、旅行や映画演劇音楽など鑑賞ざんまいの日々を愛妻と共に過ごせるのだろうが、年金もなく生涯日銭稼ぐために働き続け、妻子なく全て自分一人でやらなければならない者としては、いまのうちに本当に冬の備えをしておかねばならない。
 ※金さえ潤沢にあれば、つまるところ専門業者に頼めば済む話で、はっきり書いておくが、我はそういう日曜大工的な作業はそもそも苦手で大キライなのだ。しかしその金がなく惜しいがゆえ、自分でやらざるえないのである。

 そう、冬はもうすぐそこなのである。キリギリス的人生に悔いはないけれど、かの虫だってそのやがて必ず来るその季節の「予感」を前にして、やがて死ぬとしても巣穴の手入れはするはずであろう。
 このところ我の周りでは、70代初頭の知人の訃報が相次ぎ、同世代でないとしても、驚きと共に死は身近に迫りつつあるという切迫感をもって受け止めている。

 昨日、10月21日は父の誕生日であった。この秋で満97歳となる。昔は正月で一つ歳をとったのだから、数えならば来年を迎えられたら98歳となる。父とのことはまた稿を改め書きたいことがある。が、ともかく実に長生きした。我の同世代で、親が存命の友人知人はもうほとんどいないのに。
 我が父のように、死にそうで死なずに、気がつけば百歳目前まで何とか生き続けている人もいるが、人はたいがい早ければ70代、たいがいは八十代で死んでいくものである。
 そしてまだ父は生きているといってもじっさいは身体がまだ動いているというだけで、かつての実直勤勉かつ何事にも几帳面で厳格であった彼の性格はもはやほとんど残っていない。
 施設でも家でも「傾眠」というのだが、昼夜問わずひたすらうとうと眠りだし、食べる量も少なくなってまさに骨と皮となって自力で歩くのも立つのも難しくなった。
 いよいよ電池切れというのか、全ての機能が完全に衰えてしまい、まさに「老衰死」とはこんな感じとなるのかと得心している。

 嫌な予感だが、おそらく家であろうとも施設であろうともやがて目覚めぬ朝が来て、彼はまさに眠るように眠ったままで死んでいくのだと思える。
 酔生夢死という言葉があるが、認知症で何もかもわからくなって、何の思いも痛みも不安も苦しみもなくうとうと眠りながら死んでいくのもまた安逸で幸福な一生ではないだろうか。

 我は死ぬまで、いや、死ぬ時もそんな死に方ができるなんて思いはしないから、ともかく自力で、まさに自助で死に方も含めてあがき模索していくしかない。
 まずは、金がいくらあったって永井荷風のような死に方はしたくないと願うだけだ。が、一人で生きるとは、その孤独死を覚悟することでもあるのかと今は思い始めている。
 そう、どのような関係であろうとも、その間際に傍らに誰かがいてくれるということは、まずは安心であり幸福であると思えるがどうだろう。
 死はごく個人的な問題事案であるけれど、やはり一人では死にたくないと今我は思っている。誰か傍にいてほしい。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://masdart.asablo.jp/blog/2021/10/22/9434110/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。