男らしいってわかるかい・22014年05月29日 23時13分40秒

★「男らしさ」の呪縛~男は強くあらねばと         アクセスランキング: 148位 

 思うに今の時代、男女の性差はかなり埋まってきている。昔は男は身だしなみなど気づかいは不要で、毛深いほどセクシィ、かっこいいとされていた。が、今では男もムダ毛の処理に余念ないし若い男こそ綺麗に美しく、ときに美容や化粧するほど自らをトータルファッションで着飾ることに腐心している。
 それは社会的枠組みも同じでかつては男の仕事、女の仕事と分別されていた業種にもそれぞれ男女の参入が目立ち看護師や保育士、建設労働、トラック運転手などでも一様ではなくなっている。それは良いことであろう。

 が、それは社会的なこと、つまり表面に見えてきた部分だけであり、男女の内面、個々の内側、心の部分では今も昔も男は男らしく、女は女らしくという意識は今日でも強く残っている。
 それは「男」という側に生まれた者は、強く逞しくあらねばならないという刷り込みであり、泣いたりする弱さや臆病は良くないこと、男らしくないとは「女々しい」とされてきた。迷ったり愚痴をこぼしたり優柔不断は男らしくない。男たるもの常に臆せず堂々と胸をはって生きねばならない。売られた喧嘩は逃げずに買え。闘えである。

 それはこんな卑小な情けない自分にさえそうした意識はあって、決して親からそうした教育は受けた記憶はないのに心の深層に確かに存在している。男なのだから常に「男らしく」あらねばならないと。たぶんそれは教育以前に社会全般、いや、人類そのものが昔から抱えているコモンセンスのようなものなのかとも考える。

 いっぽう女の側にも依然そうした「女らしさ」の意識は存在していて、以前は美しさ、しとやかさ、細やかさ、やさしさ、つつましさというものが女らしさであったし、そんな表面的なことはずいぶん求められなくなったとしても家事育児など女はきちんとできないとならない、それらは女の仕事として当然できて当たり前だという「女らしさ」の呪縛がある。
 社会というものは性差とともに男女ともそうした男らしさと女らしさという無意識にとらわれ今も動いている。男らしくない=女々しいという言葉の二分別が成り立つように、今も昔も意識下では人は男は男らしく、女は女らしくという意識、とりもなおさず男は強く、女は弱いという意識を持っているのである。

 それは何故かと考えるに、原始の頃より、女は子を産み育てるという生物的仕組み、役割が与えられてしまったから当然男がそのぶん働き、女子供を養わねばならなかったという分業の仕組みがある。そしてそれは男=雄が、女=雌を支配抑圧するという動物的意識でもあり、言い方を変えれば女は男に庇護・擁護されるものという社会的意識でもあった。まあ、そこに至ったのは男のほうが体が大きく体力もあり力が強いという生物学的条件があったからだが。

 今日のように男女共働きの社会で子育てでさえ男女参画が当たり前とされる時代になっても男女ともに実はそれぞれ男らしさと女らしさの呪縛に囚われているのである。男は女に、掃除洗濯、家事育児などできて当たり前だと求め、女は男に社会的強さ、稼ぎという男の甲斐性を求めている。

 自分、マス坊はそうした男は男らしく、女は女らしくという考え方は全くナンセンスだと思っている。が、たぶん社会的刷り込み、深層意識としてだと思うがやはり男なのだから強くなければという意識や人前で泣くのは恥ずかしいとか、あいつは男らしくない等という呪縛から逃れられない。強さというものに対するあこがれも強くある。
 たぶんそれは女の方も同じであって、無意識化の「男らしさ、女らしさ」に囚われ苦しんでいるのが人なのかもしれない。そんなものはかなぐり捨てて、「~らしさ」「~らしく」など意識することなく、人は自分らしく、人間らしく生きられたらどんなに素晴らしいかと夢想するが、それはまた「人間らしさ」とは何かという問題に論点が移るのでここまでとする。
 
 しかし、いぜんとしてこの社会ではもっとも「男らしさ」を求められている仕事がある。それはボクサーでもカーレーサーでもない。相撲取りでもない。それこそが政治家、それも権力の頂点に立つ為政者なのである。彼らこそがもっとも「男らしさ」に囚われ、男らしくないとだめだとされているのである。男らしさとは決断力、行動力、判断力でもある。民主党の管や野田首相がダメで人気なかったのは優柔不断であったからだし、今の自民党・安倍首相が人気高いのは実はそこなのである。
 この項続く。

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