新潟の「たっつあん」の川越でのレコ発ライブに出向いた話2014年09月07日 09時34分55秒

★残念ながら彼の二枚組アルバムは金欠でまだ買えず申し訳ない・・・・     アクセスランキング: 111位

 新潟のたっつあんが埼玉県川越はずれの手作りホールで、彼のベスト盤的二枚組CD完成発売の記念ライブがあると元新潟県民の藤しんいちろう氏から知らされ昨日出掛けてきた。その報告をしている。

 たっつあんとは数年前、情念のアコーディオン弾き・熊坂るつこ嬢の新潟ツアーに同行させて頂いたとき、現地巻町で出会い知り合った。新潟にはアマチュアながらかなりレベルの高い音楽活動を長年活発に続けているグループがあって、それは「新潟フォーク村」という名称こそないけれど、その素晴らしさと実力に大いに驚かされた。そこから関わりが出来、多い年は年に数回も出向くようにもなった。

 きけば、そもそもそこのリーダー的中心人物であるたっつあんは1960年代、学生の頃に京都の大学で関西フォークムーブメントを体験していたとのことで、あの中島光一氏のグループにもいたとのことであった。ゆえに有馬敲さんもよくご存じであったので話も弾み、もう数年前となるが、有馬さんを新潟に招いて詩とフォークソングのイベントを企画したこともあった。それらのことは拙ブログでも逐次報告してある。

 そのときの有馬さんの言葉で、新潟には今も関西フォークの精神がしっかりと残っていると語られたのが印象的であったが、要するに京都から新潟に戻ったたっつあんが、持ち帰った関西フォークの種がその地に蒔かれ育ち今があるということに他ならないのであった。

 そうした機縁がある方なので、当然ながら人柄も素晴らしく音楽的にも感性が近しくすっかり魅了された。が、彼のうたをしっかりたっぷり聴く機会はなかなかなかった。彼はリーダーとして企画者、裏方的存在に徹することが常に多かったので、唄ってもほんの数曲で留めていたからだ。
 が、今回、ついに思うところあったのか、彼の音楽活動人生の一つの締めくくりとなる二枚組ベスト盤を北海道のクニ河内氏のスタジオで、クニ氏のミュージシャンらと作り上げた。そしてそれを引っ提げてのレコ発ライブをあちこちでツアー中で、今回の川越登場となったわけだ。

 そして休憩も含めて約二時間、新潟から連れてきた、気心知れた仲間たちをバックにたっつあんの素晴らしい音楽世界をたっぷり披露してくれた。そして思った。かつて古川豪氏が指摘した京都独特のメロディーラインが彼にはしっかり受け継がれていることも確認できたし豊穣かつみずみずしい彼のうたこそが新潟の地で、マイルスストーンのように後進の歌い手たちの目標として支え導いてきたことであろうと。
 彼はおそらく年代的にはかなり歳上だと思われるが、いつまでも若々しくちっとも偉ぶらない。元気溌剌としてその歌声とうたの世界は良い意味で若々しいアマチュアイズムに満ちている。けして老成することなく煮詰まることのないみずみずしい彼のうたと歌声はこれからも続くことであろう。

 世の中には自分たちが楽しむことを前提として集い群れて聴き手を意識しないアマチュアも多々いるが、新潟のシンガーたちがそうでないことはひとえに関西で青春を過ごした、たっつあんという稀有な指導者がいたから故だと今回改めて確認できた。

 うたとは、つまるところ日常生活と問題意識の融合ということなのだが、書き出すと長くなるのでここまでとする。ともかくたっつあんと再会できたっぷりうたも聴けた良いライブであった。と、鼻水たらしながら腰かばいつつ書き上げた。

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