二年間監禁されていた女子中学生のニュースはもういい。2016年03月30日 22時30分01秒

★最近のニュース報道は偏向していないか。

 どうでもいいニュースが多すぎると思うのは我だけか。そして本当に報じる価値のあることがちっともニュースとして取り上げられていない。

 このところNHKの夜のニュース番組をつけるとトップニュースは、先だって無事自ら戻って来た、誘拐されて2年間犯人の男の部屋に監禁されてた女子中学生の事件の続報ばかりである。
 むろんそれは異常かつ特異な事件であり、今も世間の関心をひいているのかもしれないが、我に言わせれば、もう事件は解決したのだし、そんなトップに報じるほどの大ニュースなんかではないと断じる。男の部屋でみつけた500円玉があったから公衆電話がかけられたなんて些末なことはほんとどうでもいい。

 これが犯人は未検挙で、しかも連続殺人を起こして逃走中なら大々的にまず番組冒頭で警告や注意喚起のために報じる義務があるかと思う。しかしその中学生は無事家に戻ってきたのだし、その後の「続報」はごく短めに三面記事的扱いで済むことでないのか。あたかもスキャンダラスな記事を常に扱う男性週刊誌的な好奇の心でいつまでも事件の詳細を報じていくのはその被害者や家族にとってもプライバシーの侵害にもなるのではないか。
 事件は既に解決したのだから今は被害者の中学生のことはそっとしておいてやるのがまっとうな大人社会の対応だと考える。
 こんな解決した事件よりももっと大事なほまずいちばんに報じるべきニュースがあるはずだ。

 憲法違反の稀代の悪法、戦争法がついに施行したこと、それに全国で大きな抗議集会があったこと、また、それに対して野党が結束して出した廃止法案を自公は審議もないで葬り去ったことなど、まず一番さいしょに「大事件」としてトップニュースにすべきだと我は考える。
 一女子中学生の誘拐と監禁事件は、あくまでも一個人の事件であり、国民全体、日本社会に対して大きな影響を与えるものではない。むろん子供をお持ちの方々には注意を喚起し、関心ある事件なのかもしれない。
 しかし、今はもっと先に大々的に報道すべきは、国家と国民にとって喫緊の問題、今後に大きく関わっていくことやそれに関連した事件や事態であるべきだろう。まだアメリカの大統領選予備選挙のほうが、日本と日本人にとって大きく関係し影響ある「事件」だと思う。

 おそらく多くの常識と見識ある方はうすうすと感じていると思うが、このところのニュース報道は実におかしい。何を報じるべきかがかなり偏向している。
 何か大事な、特に政治的事件があるときに限って、どうでもいいが耳目をひくスキャンダラスな事件が発生し、マスコミはそちらを優先してやたらそればかり詳細に報道して、本来報じるべき事件は後回し、もしくはニュースにもならないことが多々あるような気がする。
 先だっては、某野球選手の麻薬所持逮捕の「大事件」で、全マスコミはそれ一色に染まってしまった。そのときももっと大々的に報じるべき、国民生活や命に関係していくニュースがあったはずだが、その野球選手逮捕とその続報ばかりになってかすんだりニュースにもならなかった。
 思うに、安倍晋三の肝いりで会長となった籾井氏の意向で、現政権にとって打撃になるようなマズい出来事、国民には知られたくないことはあえてニュースとして報道しないようNHKは偏向してしまったと思える。
でなければ、一女子中学生や元野球選手逮捕の事件をあれほどくだくだしく続報するわけがない。
 一昔前は、マスコミ批判として、テレビや新聞、特にテレビは、事件が解決するとすぐにその事件報道は終わってしまいその後のこと、つまり「続報」を怠たっているという批判があった。ところが今は、スキャンダラスな事件に関しては綿々とどうでもいい「続報」ばかりで、本来もっと報じるべき価値のあるのある、国民にとって大事なニュースや情報がまったく報道されなくなってしまった。

 はっきり書くが、これこそが政府、国家権力による情報操作であり、まず国民は何も知らされないし、何も考えないようにしていくのが、あえて記せば、彼らにとって都合のいい情報だけ与えることこそがメディアの役割だと彼らは考えて行っていることかもしれない。
 休日のニュースでは、安倍首相が被災地を訪れたとか、何をしたとか私人としての出来事が「ニュース」としてやたたら流れる。無意識のうちに視聴者は彼に好感持つようなニュースであろう。本来公共放送として国民の受信料で成り立つNHKは不偏不党でなければならないはずだ。籾井会長という現政権の圧力はあるとしても、報道する者は今一度、いったい何をまずニュースとして大きく真っ先に報じるべきか自問し自戒することを強く求める。

 それと・・・これはどうでも良いことだが、某野球選手の逮捕も、かねてより男性週刊誌などではあれこれ噂されていた。ただ、何で今になってかは、そこに警察とか国家公安委員会と政府与党の間の思惑で、自公政権にとっては都合が悪い時にぶつけるように調整したと考えるのはゲスの勘繰りか。そう、ゲスで思い出した。某二流女性タレントの不倫だかの事件もさんざん女性週刊誌やネット上でやたら喧伝されたが、それもこれもそんなにニュース性や事件性などまったくないどうでもいい事件であった。
 こうしたどうでもいい事件をニュースとして大々的に繰り返して国民の関心をそちらに引き付けている間に、本来知らすべきことは知らされず、多くの国民は何も知らないうちにこの国は着々と戦争に突き進んでいくのである。報じるのは東京新聞と赤旗だけだ。

 どうでもいいニュースはもういらない。それよりもマスコミ、メディアはもっと国民の生活、命に関わってくることを真っ先に報道しろ。その義務が特にNHKには真っ先にあるはずだ。