現代商売考・22014年01月17日 09時35分32秒

★古本を扱う個人商店の行く末         アクセスランキング: 147位

 前回書いたことの補足として、つまるところ町の変化、衰退も隆盛も含めその地域が変わっていくことは人の変化、世代の変化でしかない。
 多摩ニュータウンのような戦後開発され、一時期はニューファミリーの子育て世代で溢れた活気ある若い町も、住民が歳をとるに連れて老人の町、町自体も老いた町となっていく。計画的につくられた町こそその動態は顕著だろう。

 マス坊の住む町も今も新たに農地が開発され宅地に分譲され駅前には大型マンションが立ち並び若い世代が次々移っては来るが、町自体は昔から住む住民の高齢化に伴いかなり「老人化」している。
 日中、車を走らせているのと気がつくのは、町を出歩いているのは杖をついた、手押しカートを押した老人しかいない。むろん子供は学校、大人は仕事に出ているのだから当然ではあるが、それにしても総体として老人世代が圧倒的に多い。だから店が潰れると後に入るのはデイケアサービスセンターとか、治療院、介護施設ばかりとなる。それにいくつも葬儀場が新しくできた。今儲かるのはこうしたシルバー産業だけである。
 昔なら子供相手の商売も大いに成り立っただが、今一番儲かるのは老人向けのサービス産業だろう。翻って古本稼業はどうかと言えば、年寄りは活字世代ではあるが、目も衰えているからもう本や新聞雑誌など小さい文字のものは読まない。若者は本などそもそも読まないし買わないからよってこの商売には未来がないことは前にも書いた。そして「商売撤退」宣言もした。

 しかし、このところ、古本稼業に限らず個人でやる小売り商売でもやりようによっては活路もあるのではないかと思えてきた。「町」中で、そこを通る人たち、「住人」相手に商売しても吉祥寺や下北沢のように裏通りまで常に人通りがある繁華な町でない限り個人商店は成り立たない。ならば手間はかかるが、やはりネットなど「通販」の手段で、広く日本全国、ひいては世界に向け商売をやっていくしかない。

 では何を売っていくか。問題は「商品」のアイテムである。※長くなるのでもう一回書く。