人が人であるために・12017年01月23日 11時06分51秒

★損得と自分のことしか考えない人

 大寒を過ぎ、陽射しものびて来たからか、このところ寒さも幾分和らいできた気がする。
 実はこの土日もまた山梨へ、向うの倉庫の片づけと湯治がてら行ってきた。父はむろんのことショートステイに任せて出たので、おかげさまで、良い気分転換ととなりえた。今は、今月末の日曜、拙宅で予定している「新年会」の準備に、がんばって専念していこうと気持ちが高まっている。
 何はともあれ、まだやるべきこととできることがあるのは良いことだ。先のことをあれこれ思い煩う時間あらば、ともかく一つ一つ、一日一日、今できることを少しでも進めていこうと思う。

 さて、山梨の古民家にはテレビもないので、トランプ大統領の就任式の様子もそれに抗議する人々の大行進も見ていないのだが、良きにつけ悪しきにつけ、人々がそれぞれ意思をしめていくことは良いことに違いない。まさに波乱の新政権の幕開けだが、さて、これからトランプアメリカは、世界は、いったいどこへ向かうのか。
 大変な時代に我々は今生きている。しかし、それは、運が悪いとか、何でこんな時代に生まれて来たのかと嘆くよりも、逆に目をよく見開いて、そんな世界と社会と、我々一人ひとり、一個人がどう関われるか、その「責任」を見定めることだろう。ある意味、こんなエキサイティングかつ興味深い時代はない。そして今、私が、貴方がそんな時代に生きていることこそ、そこに深い意味と役割が与えられているのである。

 今この時代、この世界は、地球規模で全てが密接に結びついている。かつての江戸時代の日本のように、国を閉ざして、その中だけで全て自給自足でやっていける国家なんて一つもない。一国家が国家として成り立つには、多くの他国から様々な食糧、資材を輸入し、こちらもまた輸出するものがあってこそだ。貿易なしに国家はやっていけやしない。
 それはまた人材も同様で、わが町でも食品加工工場で働く多くのブラジル人やインド人の姿が見られるようになった。コンビニのレジやファーストフード店でも東南アジア系の人たちが働いている。
 今も中韓を毛嫌いし、かの国の人たちの排斥を訴えている人たちがいるようだが、日本人だけで人材が足りる職種はごく限られるのではないのか。それは食品だって同様で、中国からの食材を安全ではない、危険だからと排斥してしまえば、日本の外食産業は立ち行かなくなる。
 また、日本人でも近くの牛丼屋で働いている店員は、昔で言えば皆「おばあさん」である。どう見ても我が世代より一回り上に見える。今は、その歳でも働かねばならないのかとも思うが、肉体的に働けて働く場がある事は良いことなんだろう。

 そして今も我が家の上空をアメリカ空軍の飛行機やヘリコプターが通り過ぎていく。それは日米安保条約という軍事同盟があり、我自身はその破棄を求める者だが、現政権が続く限り、オスプレイも含めて軍用機は頭上を飛び交い爆音に悩むだけでなくおちおち安心して家にいられない。
 日本も含めて世界というのは、それほどすべてが他国と密接に結びついている。このところの内需拡大、好景気も外国からの観光客、特に中国人富裕層の爆買いに寄るところが大だとされている。人口が減った多くの地方都市ではもはや観光によってしか収入を得る術はないわけで、昨今の日本人は金はできるだけ使わないのだから外国からの客人に一切頼るしかない。

 そうした時代に、アメリカ第一主義を掲げるトランプ新政権の誕生は、この世界の仕組みをどう変えていくのか。むろんアメリカならば、人材資源共に、国家内で全てまかなうことは可能であろう。
 しかし、トランプ大統領が考えている国家は、そうした鎖国主義ではないようだ。貿易投資共に、もっと増やしてあくまでも自国が有利になるように、世界一の超大国の権威をチラつかせて他国に圧力かけ「取引」を迫っていく。メキシコのような弱小国は、その脅威を前にしたらなす術もないはずだ。
 そのようにして、強く偉大なアメリカが再び生まれたとして、そのとき「世界」はどんな姿になっているのであろうか。

 家の片付けしつつ、そうしたことをこのブログで考えてみたい。