保護者会長の歪んだ欲望!?2017年04月17日 22時52分20秒

★何故に彼は一線を越えたのか

 世界は混迷を深め危機的状況はさらに複層化重層化していく。
 「程をわきまえろ」と超大国のボスに睨まれても、半島の小国だとしても窮鼠猫を噛むの諺どおり、何らかの反撃、あるいは先制攻撃したってちっともおかしくない。
 両国の核ミサイルが飛び交い、その戦場は半島のみならずその隣に位置する、米軍の最前線基地のある日本である事は間違いない。
 我はキューバ危機の頃、第三次大戦勃発に人々が怯えていた時代の記憶はないけれど、まさか21世紀になって今またそうした戦争の恐怖に脅かされるときが来るとは思いもしなかった。

 人類は賢くなるどころか、過去の戦争の記憶が薄れるにつれてまた愚かに、性懲りもなく武力でモノゴトを解決したがる方向に向かうようだ。つまるところ、喉元過ぎれば、の喩えのごとく、再び熱さを体験し痛い目に遭わないと懲りないらしい。それは、原発も同じで、そこに金が動き、儲かる輩が群がる限り、今現在も苦しむ人たちがいようと、未来に破滅のツケを回そうと、これからも稼働させさらに建設を進めていく。
 しかし、いずれも再度起きたらばもうその先はないのでは、と我は思う。いったん核兵器を用いた戦争が起きれば、東アジアだけでなく、北半球全体が放射能で汚染され、多くの人々は死に向き合わされる。死ぬのは軍人、軍関係者だけではない。一般人、それも子供や弱者たちが一番先に被害を受けて死んでいく。
 我はもうずいぶん長く生きて来たから、満足なくとも人生にそれなりに充足はしたけれど、若者やまだこれから大人になる子供たちが哀れでならない。

 そしてこのところずっと考え続けているのは、松戸の外国籍の女児殺害事件のことだ。容疑者は掴まったが犯人であるとはまだ確定も何もしていなく、逮捕された男も黙秘を続けているので、現段階で彼がやったとは断じてはならないと思うのだけれど、もし保護者会の会長であった男がその殺人犯であるとしたならば、まさに言語道断、鬼畜の行いだと言うしかない。極刑に値すると我も思う。
 犯人が、日ごろから顔見知りの登下校時に見守ってくれている、信頼して来た保護者会の会長だとしたら、異国から来て当初の不安も消え、ようやく学校が楽しくなってきた女の子は、どれほどショックを受けたことだろうか。信じてきたおじさんが豹変し、その男に殺される時の彼女の苦しみ、衝撃と絶望は、想像しただけで涙が出てくる。
 果たして報道通り、保護者会長S容疑者が女児殺害の犯人なのか、現時点では安易に断定は控えねばと自戒するけれども、ロリコンという趣味嗜好と、幼女を襲い殺害するという恐るべき犯行との「間」について我も考えていることを記しておきたい。

 死刑となった宮崎勤の起こした幼女連続殺人事件以降、こうした少女――少女がティーンエィジャーを指すとしたら、――というより小学生の女の子=幼女が被害者となる事件が後を絶たない。
 まず幼女が登下校の途中など野外で行方不明となり、けんめいな捜索の結果、遺体となった姿で発見される。たいがいは「いたずら」されたあげく、裸で首を絞められ殺されている。今回も容疑者のDNAが検出されたと報じられているのは、精液の類のことであろう。信じられないが、こうした犯人は性の対象として幼女を狙い、欲望を果たした挙句その行為がばれないために殺してしまうのである。

 宮崎勤は果たしてロリコンであったのか、我は今でも疑問に思うし、彼はもっと別に精神障害を患っていたのではと考えるが、もう死刑が執行された今は全ては未解明のままだ。オタクとロリコンについて当時も今も喧しい。
 そして「児童ポルノ」と呼ばれる書籍は、今では一切厳しく取り締まりの対象となって、そうした本、画像を所持していただけでも刑罰の対象となってしまう。我ら古本屋もそうした雑誌は流通させられないため処分を余儀なくされた。
 しかし、何がポルノに該当するのかは、幼児や少女、大人であろうとも本当は判断が分かれるところで、かつては少女のヌードを撮った芸術的写真集も存在したし、ロリコンに限らず、少年愛、同性愛も含めて趣味嗜好として、本来それは個人の問題であって犯罪ではないはずだ。ロリコン趣味の人ならば必ず幼女を襲い事件を起こすわけではないことは言うまでもない。それは流通しているエロ本を購入する男が常に街ゆく女性を強姦するわけではないように。

 ただ児童、幼い少年少女が純粋に好きで、可愛いと思い脳内で愛好するのと、じっさいに児童ポルノ、子供たちが出てくる海外の違法なビデオなどを集めたり、プールなどを盗撮などするのは、度が違い過ぎている。そして結果として、衝動が高まり性的実際行動、つまりこうした幼女誘拐、強姦致死に至るのであろうか。
 よって、ロリコン趣味の人たちは怖いし、そうした趣味傾向の人たちは社会の敵として、予め規制すべきだという論も高まる。しかし、それは正しいのであろうか。

 我はロリコンではないが、元よりそもそもかなり変態で、頭の中ではここで書くことは憚れるような妄想を常に抱いている。ただ、それを実際の行動、実践しようなんて考えないししたこともない。そして今後ともたぶん絶対にそれは行動に移すことはないと我は我を信ずる。
 男女年齢を問わず性愛にしろ、何であれ、それは双方が同意のうえでならば何をやったってかまわないはずだ。しかし、大人が子供を、弱者を強者が力づくで、犯したり何か行為を無理強いすることはしてはならないし許されることではない。それは人として当然のことだ。いつどこでも絶対に許されない。何故ならば被害者は身体と心に大きな傷を負う。ときに殺されて周囲の人たちも哀しみ苦しむこととなる。それは人権の問題なのである。誰であれ人の尊厳にかかわることなのだ。
 ところがこの世の中には、成人女性を襲う連続強姦魔も含めて、そうした一線をやすやすと超えてしまう者たちがかなりいる。モラルの問題とかではなく、普通人なら欲望は抱いても自制できるところが自制できない。その衝動が抑えきれず犯行に及び結果として犯罪者となってしまう。その心理はいったいどういうものなのであろうか。何か精神の障害なのだろうか。

 これまで事件に及ぶロリコンとは、たいてい一人者で、孤独な非社会的オタク傾向の若者とされてきた。ところが今回の事件の容疑者は、何で生活費を得ているのかは定かではないが、学校関係の公的地位に就き、社会的にも広く認知されていた上に家庭もあり子供もいるのである。※ただその「家族」も報道では彼の妻とも実子とも報じられていないので子供の性別も含めて状況は今一つよくわからない。
 そう若くもないが裕福かつ立派な保護者会長の地位にあった、自らも被害者と同世代の子を持つ中年男が、ベトナム国籍の女児を誘拐し犯し殺害し死体を放置したという事件なのである。果たして本当にこれは事実なのであろうか。
 もしそれが彼が本当にしでかしたことであるならば、いったい彼の心に何が起きたのであろうか。彼の心に悪魔が入ったのか。気が狂ったのか。それとも元よりそうした異常性欲の犯罪者的傾向の資質の持ち主で、その衝動が高まり抑えきれずに爆発したのであろうか。全く何もわからない。

 あらゆる犯罪は革命的だと言ったのは誰であったか。今回の事件はまさに前代未聞、画期的であろう。妻子ある保護者会長S容疑者がこの殺人犯だとするならば、その犯行に至った心理こそ世に語ってほしい。
 マスコミは常にこうした事件が起きるとこう記して結ぶ。彼の心の闇は窺い知れないと。しかし、それでは、こうした理解に苦しむ事件はこれからもまた必ず何度も起きる。極刑に処して終わりにしてはならない。
 その解明できない「心の闇」を解明し明らかにしていくことこそが司法の役割なのである。