疲れているが今日は仏人たちと会った。2011年05月21日 23時58分00秒

★♪明るいナショナル、家中みんな電気で動く~

 今晩は長年親しくお付き合いして頂いている、在日仏人家庭に夕食に呼ばれて、都内から先ほど帰ってきた。

 そこには、もう一人日本語が堪能な仏人技師も招かれていて、皆でワイン呑みながら震災後の日本人の話で盛り上がった。原発の問題についてもあれこれ議論があって、ガイジンから見た日本と日本人社会というものについて新たな示唆を多く得た。

 話は多岐に渡り、結論もでるものではなかったが、一つだけ気になり、自分もまた考えていたこととして、大震災後、この国は、日本人は変わったのか、以前と意識は変わるのかという論題があった。

 結論だけ言ってしまえば、仏人たち曰く、節電とか節約とか騒いでいるけれど、日本人は根本的に何も変わらないのではないか、何故なら大震災に遭った人たちはともかく今の多くの若者の価値観、つまりブランド志向、消費依存のライフスタイルは変えようがないし、人は一度手に入れた生活水準は下げることは耐え難いものだからとかなり悲観的なものであった。
 またそれと共に、震災後高まっている愛国主義的な機運も気になるようで、がんばろうニッポン!今こそ日本人の底力を見せるときだという威勢の良い掛け声は、じっさい自分もまた違和感を持っていたので、正鵠を得た気がした。ガイジンは原発事故以降すぐ逃げてしまったとか、外国人排斥の雰囲気さえ彼らは感じているようだった。

 確かに、今この国はナショナリズムが高まっていて、まだそれは仮想敵国、仮の敵には向かっていない。国民の団結に留まっている。しかし、被災地復興も遅れ、福島原発の今後に展望が見えないまま増税などが決まり、景気も更に落ち込み国民のフラストレーション、閉塞感が高まったとき果たしてその怒りや不満の矛先がどこに向かうのか、ガイジンでなくとも自分もとても気になる。

 一時の自粛要請ムードもだが、非常時に浮かれているのは非国民、けしからんと、愛国者たちが肩で風切る時代にならないことを切に願う。そう、がんばらなくたっていいじゃないか。泣いてばかりだってよい。それもまた日本人なのである。思いは人それぞれなのだから。