橋下氏の思考回路に改めて感心した。2013年06月06日 23時07分40秒

★危険や痛みのツケをたらい回しにしていく思考回路

 今もっとも時の人、大阪の橋下市長が、安倍首相を訪れ、沖縄のオスプレイ飛行訓練の一部を大阪八尾市の八尾空港に受け入れることを提案した。これを沖縄の過剰な基地負担を軽減するための勇気ある「美談」だと捉える人もいるかもしれない。が、彼の今回の発案、思考回路は先の慰安婦発言と同じくまったくコトの本質を取り違えたところに根ざしている。そのブレのなさに今更ながら感心さえしてしまった。

 そもそも世界でもっとも危険な戦闘機としてその危険性が払しょくされていないオスプレイを沖縄の負担軽減だとしてもあんな住宅密集地にある八尾空港に招くとは言語道断、非常識の極みとしか言いようがない。しかも地元には一切事前のアポも住民からの了解もとっていない。市長としてまったくのスタンドプレー、思いつきでそんな危険極まりないことを実現させて良いのであろうか。事故の危険性が高い問題の飛行機を地元とはいえ招く権限が市長の彼にあるのか。それともこれは近づく選挙対策のためイメージアップのパフォーマンスか。

 これは先の舌下事件で窮地に立つ彼が沖縄県民と米軍の歓心をかうために考えた起死回生の案なのであろう。しかし、この思考回路自体が先の慰安婦と全く同じ発想に立っていると思うのは自分だけか。なぜならそこには元慰安婦と沖縄県民と今度は八尾の住民たちの負担と痛みに対して思いやりのかけらも見られないからだ。実に愚弄極まりない。
 つまり、兵士の性衝動を鎮めるには、慰安婦や性風俗業、売春婦が必要であり、オスプレイの危険性を減らすには国内の他の地域に移転させれば良いという毎度同じの安直極まりない発想である。

 確かに八尾でもどこでも移設となれば沖縄普天間の基地負担の軽減など一時的、少しは効果はあるかもしれない。しかし、それは、米軍司令官に、風俗業の活用を進言するのとまったく同じことであって何一つ根本問題の解決にはなっていない。場当たり的であって実現すればまして危険性の種を日本全土に撒き散らすだけのことだろう。これは、だからオスプレイは沖縄においとけ、と言っているのではない。そもそもオスプレイ配備を撤回しろ、米軍基地を撤去すれば済む話だとオレは言っている。

 ところが橋下氏にはそうした発想はどこを叩いても出てこない。彼の頭の中には米軍基地は絶対必要、日米安保条約は大変重要、オスプレイは絶対安全だと信じきっている。そうでなければ八尾の住民に無断でオスプレイ配備を受け入れると首相に提案できるはずがない。
 ある意味、この男の思考回路は常に終始一貫している。全く迷いがない。そこには弱者の痛みには一切思いやるところはない。女性の尊厳を大事にしていると言いつつ、性懲りもなく慰安婦には日本の国家的関与の証拠はないと言い張っていく。そうした妄言がどれほど彼女たちを傷つけているかその認識が欠けている。威勢の良い発言と行動力を売り物にタレント弁護士から国政までのし上がってきた彼の人間性がようやく全世界的に白日の下にさらされてきている。

 こういう男を市長に選び、衆院第三党の代表にしている日本を日本人として恥ずかしく思う。まあ、小型・慎太郎「イノセ」を抱く都民である自分もまた大いに恥ずかしいが。
 米軍横田基地飛行ルート直下に住む自分としてはどこであろうとオスプレイもそもそも米軍基地も絶対反対、安保廃棄!!を強く求めていく。