間もなくオリンピック開催地が決定するが・・2013年09月07日 17時05分57秒

★東京はどうなるか今固唾を呑んで待っている人に     ランキング: 156位

 こんなことを書くと大勢に、いや体制に楯突くようでまたあれこれ怒られるかもしれないが、筆者マス坊はオリンピック東京招致に反対である。
 人を励まし元気にさせる、スポーツの力は確かにあると信ずるし、自らはスポーツは一切やらなくてもスポーツ好きな人を嫌いも批判する気もない。また、オリンピック招致に懸命になっている人たちに対しても何も思うところはない。自分のように、1964年の東京オリンピックを観た記憶のある者はともかく、今の人たちはやはりこの目でこの東京で生でそれを観たいのだろうと理解できる。

 反対する理由はただ一つ。決定する、しないに関わらずそんな招致合戦に何億円も使うよりもっと東北の震災被災地復興や被災者支援のために金あるならば使うべきだと考えるからだ。
 そして福島の原発から漏れ続ける汚染水の問題も全く解決の目途が立っていない。今、東京に決定したとして8年後だからその頃にはフクシマも解決しているはずというのは極めて楽観的な想定で、自分はともかく何より先にこの問題が解決に向かってからでないとオリンピック騒ぎはできないと考える。それはそれ、これはこれ、なのか。

 東京での開催が決定したらまたぞろオリンピック景気で東京は騒がしくなる。そしてそこに土木関連予算が組み込まれる。しかしそれはゼネコンを喜ばせるだけで果たして日本全体の景気、まして東北復興にどれほど効果があるというのか。

 思うに、東京に決まれば、これで景気回復の実感の伴わないアベノミクスにははずみはつく。早晩、消費税導入後に失速が本格化していくアベノミクスなるイカサマ経済政策に一定のカンフル剤とはなるだろう。
 しかしそれも一時的なもので、開催までの数年間はあちこち東京都心部がまた工事工事で騒がしくなるだけで、儲かるのはゼネコンだけ、全国的にはほとんど関係がない。景気回復や雇用にどれほど影響があるのか。
 むろんオリンピックは人心高揚させ、この国を元気にさせる効果はあろう。そのことは否定しない。また、東京に決まれば開催までの間はタカ派政権も近隣アジア諸国とのトラブルに対して慎重にならざる得ない。領土問題から偶発的でも紛争が起きてしまえば、モスクワ五輪のように近隣諸国はボイコットしてしまう。だから決して悪いことばかりではないと考える。

 それでもやはり今の日本は、まだオリンピックどころではないのではないか。一方に収束のメドの立たない重大な原発事故を抱えて帰宅困難者がたくさんいて、東京オリンピックに大騒ぎするマスコミとそれに踊らされる人の気持ちがよくわからない。そんなに金が潤沢にあるならばもっと東北復興や被災者支援にまず使うべきだと考える。そして復興が成ったとき、胸を張って世界中に日本でオリンピックを、完全に復興した日本を観に来てくださいと誘致に名乗り上げれば良いではないか。
 オリンピックに浮かれる前に日本と日本人にはまず今やるべきことがあるのではないか。

 余談だが、NHK朝ドラ「あまちゃん」にも大いに失望した。震災による津波被害はあんな甘い軽いものではない。むろんたかがドラマなのもわかっている。NHKだからあまり厳しいリアルな現実は見せられないのも理解できる。誰一人死なないのも。しかし、自分がこの目で見たいわきの浜の惨状を思い出すとき、三陸岩手で3.11後の状況があのぐらいの軽い程度で大して問題なく描かれたことに憤りさえ覚えた。