無理を承知で成し終えたライブ2014年06月30日 03時26分34秒

館野、さこ、みほこんの夢の顔合わせ成る
★企画側の矜持は今回も保ち満たされた。   アクセスランキング: 139位
 
 おかげさまで良いライブとなった。今、とりあえず料理などの後片付けしてこれを記している。
 日付は変わってしまったが、今日6月29日、拙宅無頼庵での「さこ大介大全集」と題したライブは無事に盛況のうちに終えられた。

 午後から時おり強い雨が降り天候も悪かったし、来るはずと想定していた人、行くと意思表示していた人が仕事や体調悪いなどで都合悪く4名も欠席という悪条件であったがそれでも純粋観客は10名の二桁に乗せられた。スタッフや関係者も入れれば15名を超しているのだから大いに健闘したのではないか。
 特に今回はこの企画したマス坊自体がちっとも宣伝活動できず、客の入り以前に人を招く、受け入れられる状況か心もとなく本当に不安で苦しかった。
 というのも老犬がいよいよ末期的状態になってきて、その介護に追われまくって精神的余裕も含めて場の設営の準備、事前の部屋片付けなどの時間もなかなかとれなかったからだ。汚い話だが、犬がこのところ夜寝かせている玄関は糞尿まみれになることも日常化してしまい、家全体が手をかける時間がなく、汚くしっちゃかめっちゃかでゴミ屋敷化していたのだ。

 が、幸い今回もハヤシクラブの方から有志二名裏方と来てくれたので本当に助かった。なので来られたお客様にはかろうじて失態を見せずに済んだかと思える。一人で準備していたらとても間に合わなかった。
 ライブは悪天候の下、駆けつけてくれた良い心あるお客様を前に、まずみほこんがソロで30分弱、さこさんがソロで同じくやって、短いトイレ休憩を挟んで二人でたっぷり10曲もさこ大介のヒットメロディを共演した。きけば二人でこのライブのために二日間も練習を重ねてきたのだと言う。本当に頭が下がる。どこそかのいつもぶっつけ本番、行き当たりばったりのベテランフォークシンガーに彼らの爪の垢でも飲ませたい(笑)。
その成果は確かにあって、多少のトチリはあっても二人息の合った確かなうたと演奏を見せてくれた。さこさんのギターと渋い声に、みほこんの流麗なバイオリンが巧みに絡み初顔合わせながらも非常に凝った良いステージを提供してくれた。企画者冥利に尽きるとはこのことか。

 ちょうど親子ほど年の差がある二人だったが、こちらの目論みとおり信頼し評価しあう二人は意気投合、さこ御大が懐に飛び込んできた若鳥を育て上げるように、みほこんという才能ありつつもこの数年活動休止していた彼女の音楽熱を再び燃え上がらせた。
 今日のライブで思ったのはこれでみほこん完全復活なったということだ。達人さこさんにお任せして本当に良かったと思った。ほっとした。安心できた。

 今の時代、女の子が長く唄っていくことは実に難しいのである。むろん、若く可愛くて、出てきたとき一時期話題になり持て囃され人気を得る子はいくらでもいる。そこに多少のユニークな独自の才能があればすぐ人気に火が付く。
 が、それも一時的なもので、歳を経ていくと共にミーハー的ファンは去り、当人も結婚とか仕事とか周囲からの状況に翻弄され昔のように気軽に唄いつづけられなくなっていく。
 もちろん中には私生活はさておき、自分の信ずる「うた」だけに専念、集中して男顔負けに精力的に音楽活動を続けている人もいる。しかしそれはごく少数で、女の子シンガーはなかなか長く唄い続けられない。よしだよしこさんら敬愛する女性シンガーは何人もいるけれど、皆さん一度は表舞台から去り、子育てとか家庭の事情を終えてのブランク後の復帰なのである。

 また、うただけでは当然喰えないのが現実なのだから、今のような時代、本業での荷重過酷な「タスク」を女であろうとも上から押し付ける社会の中では玉の休みに「音楽活動」を続けていくだけでも大変だ。みほこんもそれで体調を崩してしまったようだ。
 このままもう音楽活動はずっと休止してしまうのかと彼女の才能を深く愛し信じ応援してきた者としてやきもきしていた。そして体調を窺いつつまずはサポートととしてマス坊が信頼し評価するミュージシャンとのセッションの場を設けて復帰の機会を設けてきた。そして前回の館野公一との企画を経て今回のさこ大介との共演となった。
 もっとお客が来てほしかったという悔いは少しあるけれど、それよりもしっかりしたみほこんの元気な姿が確認できたことが嬉しい。もう完全復帰間近と判断して良いかと思う。

 ウチ、無頼庵でも出たいと言ってくるミュージャンはいる。むろん勝手に来て勝手に唄うのはちっともかまわない。ただ、自分が呼びたい、聴きたい、つまりウチで呼んでお客様に責任をもっておススメできるミュージシャンは実はさほど多くない。
 本日は、そのさこ大介御大に我らがみほこんがからみ、さらには飛び入り参加として敬愛する館野公一氏もマンドリンで参加してくれた。まさに大好きなご三方の夢の競演がかなった。感激した。これもまた初顔合わせである。

 歌い手には歌い手の、聴き手、観客には観客の、矜持のようなものがあろう。それはプライドとかこだわり、自信と呼べるような何かだ。ならば、呼ぶ側、企画する側にだってその矜持は持っている。今回はそれが示された。
 自分が信ずる、本当に良いもの確かなものを観客の皆さんにお見せしたい、紹介したい。もとより儲けのため、商売ではやっていないのだ。当然であろう。何であろうと自腹切って苦労して自分が認めないものを企画するワケがない。

 何はともあれ、今、ウチの家庭の事情でかなり無理をした。無理を承知で当日に臨んだ。それが無事に成功に終わって本当に嬉しい。ほっとしている。皆さん有難うございました。