すべてを赦し受け入れていく・42017年01月13日 04時54分25秒

★「見えている」と思っていた我が罪

 聖書には人は誰もが罪人であると記されている。が、山梨へ車を走らせながら、我が罪の深さについて嫌でも考えざるえなかった。

 我は以前からどうしようもないダメ人間であり、誰からも愛されず自らも幻滅し呆れ果てる者であるが、それでも生きていく価値はあると信じていた。
 多くの人に罵られ否定されようともこの世に生を受けたからにはそこに存在する理由もあろうし、ダメのサンプルとして、あんな人間でも生きている、何とかやっているということが誰かの支え、励みにもなるかと思い我なりにがんばってきた。
 そう、どんな人間でもヒトは同等の価値を持つ。我のような酷い最低の人間でも神様は見捨てずにいてくれた。
 しかし、こうしてまたも交通事故をしでかし、まったく非のない老婦人にケガを負わしたり、迷惑をおかけし場合によっては死に至らしめるならば、そもそも我はこの世にいない方が良いのではないのか。我が在る事で、他者に迷惑をかけ、ときにまたも人を殺すような事態をしでかすのならば。もし、そういう「役割」ならばもう生きていたくない。

 そんなことを自問自答しながら車を走らせてふと気が付いた。オレはまた何も見ていない。見えていないと。
 前回の事故の時は、女児が飛び出して来たときはともかく、ぶつかったときの記憶は今もはっきりある。そのときは見えていたと思う。
 しかし、今回は、まったく見えていなかった。目は開いていたし、自らでは見ていた、見えていたはずだった。そう思ってハンドルを握り、右に曲がったのだ。が、横断歩道を直進してきた老婦人の乗った自転車にぶつかった。何故見えなかったのか。
 そして今、高速道を約100キロのスピードでクルマを走らせていて、一瞬、ごく短い間ではあるが、やはり何も見ていない、見えていないときが確かにあるのだ。それは何か考え事をしているときがそうだし、何も考えていなくても、我の意識は前方を見ていない。まったく失念している。目は開けて前を見てはいるのに。そのことに気づきショックだった。

 これは以前からうすうす感じてはいたことだが、我は極端な熱中症的なところがあり、何かに考えや心を囚われてしまうと他のことは全く眼中にない、忘我の境地に陥ることがままあった。
 当然、そのときは慎重さを欠く。それは他者に対する気遣い、思いやりのときもあったし、忘れ物や失くし物へ繋がるときもよくあった。結果たびたびバカなことをしでかし、他者ばかりでなく自らも傷つけて生きて来た。
 元々そうした迂闊な性向があったところに、老いて目自体の機能も衰えて来てろくに見えなくもなってきている。今回の事故の顛末は、起こるべくして起きたことだとつくづく思う。

 言う迄もなく、人は常に瞬きもしている。映画と同じく見ているコマとコマの間には実は欠落があり、見ていないときも実は誰にでもある。しかし、脳はそうした欠落を補って、常時「見ている」「見えている」状態に意識を保っている。
 我もそうだと思い信じていた。しかし、見ているかどうか意識を集中してみると、多々、はっとして、今一瞬は何も見ていなかったと気づく。そうして常に見てない、見えていない状態ながら我はクルマを運転したり、道を歩いたり動いていたのだ。ぞっとした。

 よくこれまでそれで大事に、大事故に至らなかったものだと今にして感心すらする。特にこのところは、母の死後、父の世話と諍いで疲れ果てて、常に気もそぞろであった。そのときも何か考えていたのか、ぼうっとしていただけかもしれない。
 そして事故に至った。ただ、幸いにして相手方にも大したケガは追わせていないようだし、後々までも面倒な結果を引きずることはないような感触がある。幸いであった。僥倖と言っても良い。またも神のご加護、恵みが与えられたのだと思う。

 聖書には、盲人をバカにした者に対して、自分は(健常者)だと思い、見えていると思っているが、実のところは何も見えていないのだ、見えていると思うところに罪がある、と、イエスが説く一節がある。
 まさにそのことを思い出した。

 繰り返しになるが、我は、自らでは見ている、見えていると思って生きて来た。しかし、実のところ何一つ見えていなかったのだ。今やっとそのことを気づかされた。

コメント

_ (未記入) ― 2017/01/13 10時19分16秒

大事に至らずよかった。クルマの後ろから回り込んでくる自転車や、横断歩道を走行する自転車の安全まで、クルマのドライバーの責任になるので一層気を使います。急いだり慌てたりせず、また心に穴が空いたような時には運転しないよう、ぼくは自分に言い聞かせています。

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