ああ金の世や2013年11月02日 20時09分13秒

★いつの時代も金金金だ! アクセスランキング: 144位

 このところじわじわと物価が上がっている。物価が上がることが景気が良くなるしるしだとは絶対に思えないが、アベノミクスの理屈ではそうしたものなのだろう。これもそれも国民の選択である。
 物価が上がって所得、つまり給料や懐に入る金も上がるなら何も問題はない。しかし、給料は上がらないばかりか年金は削られ生活保護まで削減されていく。ということはその分のお金はどこかに消えていったわけで、どこかで誰かがたんまりその分儲けていることになる。言うまでもないそれは大企業や法人及び一部の富裕層で、こうして貧富の差はますます激しく甚大になっていくのである。それは明治の昔から変わらない。

 ウチの母方の祖母などは、明治33年の生まれで、要するに19世紀の人だったから、自分は彼女からその親世代の話を子供の頃よく訊かされた。明治になって良かったかと言えば、得したのは薩長など一部の武士階級や官吏だけで、大方の庶民、特に農民は「徳川様の時代のほうが良かった」と皆が言ってたとのことだそうだ。
 何故なら年貢は不作の時などはある程度猶予もされたし、その取り立ても、「ない袖は振れない」のだからある程度融通がきいた。それが明治になってすべて税金、つまりお金で収めるようになってからは、非常に厳しく管理されて徴収され農民は本当に困窮していったと言う。

 歴史の本では、徳川の幕政は悪で、明治政府は善、歴史の必然だととらえている。が、じっさいのところ庶民の感覚では決して徳川の治世は悪くはなかった。ただ、幕府という政治体制が諸外国の開国要請に対して対応不能、持ちこたえられなくなっていただけのことだと思える。
 開国=文明開化は善だと教科書では教わったが、今の自分の気持ちはそれまで江戸時代300年近く鎖国して国内だけでやっていけてたのだからそれでいいじゃん、と思える。要するにいつの時代も外圧で、やれ開国せよ、港を、市場を開放せよ、これからはグローバルスタンダードだ、TPPに参加しないと取り残されると外国かぶれのバカが騒いでそれにこの国は常によくわからないまま猫も杓子も乗せられていくのである。
 そして西欧型資本主義が導入され、全ての価値は金に換算される金の世の中ができた。勝ち組、負け組ではないが、要するに金があるものが正しく、金にならないもの、金のないものは悪いものと判断されていく。
 売れれば善、売れないのは悪、有名人には憧れ、無名の者は鼻もかけない。金持ちは偉く、貧乏人はダメ人間。そうした風潮は明治に出来近代以降ますます確固たるものとなり今に至りさらに激化していると思える。要するにこの世はすべてが金、金がすべての世の中なのである。

 このところバイオリン演歌師、楽四季さんと過ごすことが多く、彼の明治大正のバイオリン演歌を始終きいているのだが、けっきょく昔の歌でもいつの時代も全く同じだなあと嘆息している。

 実は今も自分は金がなく、支払いばかりに追われてその工面で本当に頭が痛い。贅沢した記憶も大してないのだが、家計を預かる身としてこのところの物価上昇と、山梨へ出かけたりと様々な出費が嵩んでもうどうにも首が廻らない。おまけにいろいろ病気見舞いなどにも入用で、年内何とかやっていけるか年が越せるかやりくり算段苦労している。せめてどかんと高額本が何冊かでも売れれば少しは楽になるのであるが・・・。

 このところ頭の中には流れているのは添田知道さんだったか親父さんの唖蝉坊の作だったか、「金々節」である。ほんとうにいつの時代も呆れかえるがこの世は金金金なのだ。

 金々節

金だ金々 金々金だ
金だ金々 この世は金だ
金だ金だよ 誰がなんと言おうと
金だ金々 黄金万能

金だ力だ力だ金だ
金だ金々 その金欲しや
欲しや欲しやの顔色眼色
見やれ血眼くまたか眼

一も二も金三も四も金だ
金だ金々 金金金だ
金だ明けても暮れても金だ
夜の夜中の夢にも金だ

泣くも金なら笑うも金だ
馬鹿が賢く見えるも金だ
酒も金なら女も金だ
神も仏も坊主も金だ

《略》
金だ本から末まで金だ
みんな金だよ一切金だ
金だ金だよこの世は金だ
金金 金 金 金 金 金だ!

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