日本人は今、ぬるま湯の中のカエル2013年11月18日 23時23分49秒

★こうして皆で少しづつ煮られていく      ランキング230位

 このところ秘密保護法のことが気にかかって仕方なく夜も眠れない。が、世間の皆さんはいささかのどかなもので、自分の側と思える人も大して気にかけていないようで不思議でならない。まあ、カエルの実験に見るがごとく、いきなり熱い湯にカエルを投げ込めば、カエルは驚いて飛出し逃げるが、ぬるい湯に入れてしだいに温度を上げていけばそのまま茹で上げることができる。そのようにして国民も気がついたときはもう遅く、カエルのように煮られて殺されてしまうのだろう。しかし、この法律はかなり熱い湯だと自分は考えるが世間の方々にはそうではないのかもしれない。

 温泉でも風呂でもどのぐらいの温度がその人にとって適度なものか、心地よく感じるかはそれぞれ違う。モノを書こうとか情報を発信しない人にとっては、この法律でスパイができなくなり国家機密が守れるならば良いことだなどと政府のおっしゃることを真に受けるのであろう。
 と、こんなことも何らかの秘密事項にあたるとして、何がいったい法律に違反したのか説明もないままに逮捕される。そうした時代が間もなくやってくる。好き勝手政府や政治家たちの批判や悪口をさんざん書いてきた自分のようなものは、今その覚悟を固めている。口をつぐめ、目をふさげ、耳を押さえろとお上に言われれりゃ私もそうする。しかし、このインターネットの世紀に、旧東側、あるいは今も残る歪んだ共産主義国家のような当局のし放題は誰が考えても歴史に逆行している。

 どれほどの罰則でもって政府が隠したいことを「秘密」として世に知られてはならないと厳しく管理し秘匿したとしてもそれは絶対に漏れるし世に知られることとなる。安倍政権としてはもういちど(旧い)日本を取り戻した つもりかもしれないが、歴史は繰り返さない。いや、繰り返したとしても世界情勢、社会状況も昔とはまったく異なる。
 たとえば自民党改憲案では国民は「家族」を一つの単位として規定しているが、その家族だってこれだけ独身者が増えてしまえば制度自体が成り立たない。それと同様に愛国心だって道徳だって、すべてが昔とは異なっている今、いかに過去を懐かしみ過去に倣おうとしてもそれは無理だ。

 やれTPPだ、市場開放、グローバルスタンダードだと、掛け声勇ましく世界に門戸を大きく開くならば、国内を、国民を厳しく取り締まることなんてできなくなる。消費税だって直輸入で入ってくる、取引される商品はどうするのだろうか。
 ジョン・レノンが夢見た世界ではないけれど、やがては国家なんて単なる地形的線引きに過ぎなくなるのではないか。民族はあろうともアメリカのような人種のるつぼへとこの国も変わっていく。これだけ外国人が入ってきて国際結婚も進めば、「日本人」とはヤマト民族だとは括れなくなるだろう。

 どれほど安倍首相が過去の日本にこだわり過去に戻そうと様々な都合の良い法律を拵えようとも歴史は戻せない。

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