迂闊さと怠け心と慢心と2012年07月10日 21時48分39秒

★忙しいとか体調の悪さは言い訳にできない。

 昨日に引き続き、暑かった。だが今日は陽射しは強いものの風もあり、湿度が低かったせいか日陰にいれば爽やかで気持ちの良い梅雨の晴れ間であった。
 また商売のほうでトラブルが発生して一日その処理に追われていた。毎度のことと呆れられるかもしれないが、手短に記す。

 数日前、Amazonマーケットプレイスでウチが出品していて買い手がつき、発送済みの本に関して、さっそく出品者=当店を評価する「評価付け」でまた低評価がついてしまった。
 その本というのは、「詰将棋手筋教室」という、かなり厚めのハードカバーの将棋の指南書で、古書扱いとしてやや高めの値がつけられてウチ以外にも何冊か出品されていた。一万円近くが相場らしい。

 ウチが出した本は、本文にところどころ「校正」と思しき書き込みが見受けられ、読むには問題ない程度であったし、必要な書き込みでもあったので、その旨断って、他店よりかなり安く、それでも5400円ほどの「格安」の値で販売とした。
 その本がわりと早くすぐに売れたのは良いが、すぐにウチの評価が付けられて、購入された方は、「二箇所線引き有り、シミ有り」として販売の際の説明と異なるとして低い評価をつけられたのである。

 当方としては、基本的に書き込みがあることは出品時に説明のうえであったし、常々、お届けの本に何か不備、ご不満のことがありましたときは、返金返品も含めてお客様の立場でご満足頂けるよう善処いたします、と納品書に記してあったので、いきなりだなー、何でかなーとやや釈然としない思いであった。
 ウチはこのところあまり真剣に商売に取り組んでいないから、そもそも販売数自体が少なく、それまでは99パーセントの「高い評価」であったのがこれで今月だけを見れば一気に85パーセントの「低い評価」に下がってしまった。そんなことはあくまでも目安であり気にせずともさほど注文には影響しないと思うのだが、一気に下がって気分は良いわけがない。

 こらちとしては、去年の8月にうっかりミスで付けられたやはり低い評価が、ようやく1年かけて間もなく消えて100パーセントの高評価になる直前だったので、また振り出しに戻る、ということは何としても避けたかった。
 それで、その購入者に連絡とって、全面的に謝罪という下手に出て、お詫びの気持ちとして本代金から最大半額の返金処理をいたすので、なにとぞ今回付けられた低評価は撤回してくれないかとお願いした。

 なかなかすぐに応じてはもらえなかったが、本代の半額、約2600円が戻るということで、今夕「評価を取り消した」というメールが届き、こちらもならばと約束どおり代金の半額を返金とする手続きを行い無事に今回のトラブルは終了してまたもとの99パーセントの高い評価に戻すことが出来た。一応これで一件落着である。

 今回の件で、思ったのだが、損得はともかく何でこんな小さなことに頭痛め囚われてやきもきしたり憂鬱になる我が心の弱さ、小ささにも毎度ながらうんざりもしたし、それと同時に悪いのはお客ではなく、やはりこちらなのだと痛感した。
 要するに、まず迂闊であった。高額の本なのだから、発送通知だけでく、受注のときに再度きちんと詳しく状態を説明しそのうえでもしご不満なことがあったら返金返品にも直ちに応ずるので「評価付け」する前に必ずこちらに連絡してくれるよう因果を含めたメールを送っておけば良かったのだ。じじつ、昔は注文ごとにそうしたメールを本の発送前に出していたのだが、いつしかつい面倒になってやめてしまっていたのである。このところずっと忙しかったりまして体調が悪かったこともある。
 そしてこの商売も長いし、最近は特にトラブルも起きていなかったからつい気を緩めていたし、まあ何とかなるだろうという慢心もあった。

 けっきょくのところ、原発事故にせよ総てのトラブル、事故とはこうしたいつしか心を蝕む、迂闊さ、気の緩み、怠慢、そして慢心が引き起こすことに気づく。そして人はそのときは失敗したなあと深く反省するが、またいつしか慣れと慢心から緊張感を失っていく。ならばトラブルとは総て良いことであり、それを機に悔い改める良いチャンスなのである。

 いちばんの問題はそこからなにも学ばない傲慢な人間がいることだ。こんな零細稼業が起こすトラブルなんてどうでもいい。ひとたび事故が起きれば地球規模で被害が広がる原発を首相一個人や閣僚の「責任」で拙速に大慌てで再稼動させてしまう愚を問題としている。
 自らも悔い改めねばと今度こそ心に誓った。