詩朗読会無事盛況のうちに終了す。2013年11月03日 22時15分44秒

★初めての試みとしては成功したと思うけれど。

 どっと強い疲労感でこれを記す。ようやく終わったという思いでいる。詩の朗読会だけのことではない。今年一年のウチでのイベント企画がである。陳腐な表現しか思いつかないが、今やっと肩の荷が下りたという気持ちがする。あと一回、映画塾を終えれば今年も終わる。やっとここまで来たという疲労感である。まっ、クリスマス頃に忘年会ライブは今年もやるがそれは「デザート」、別腹のようなものだと思っている。

 今日11月3日の無頼庵「秋の詩朗読会」は詩人方が当初から登場予定の方が5名、その他、観客として参加されその場で即興的に自作詩を発表された方も2名。で、詩人ではない観客は残念ながら詩人たちより少なかったという結果を告白するが、良い集いとなったと思う。自分としては予想していたよりはるかに面白かった。いろいろ新たな発見もあったし感心もした。ただ、その純粋観客が面白いと満足されたかはわからないが。そしてフォークシンガー側からいつもお世話になっている太田三造さんが来られた。

 詩の朗読というと、文字に書かれたもの、テキストをただ読み上げるものだと普通は想像するだろう。自分もそう思っていた。これまで少ない中で立ち会ったそうした催しはそうであり、せいぜい必要かどうか判断に苦しむギターなど楽器の伴奏が付く程度であった。
 しかし今回、企画を相談し他の詩人方に連絡をとってくれた、詩人奥主榮氏が招いてくれた方々は皆極めてユニークで、パフォーマンス度が高く、自分が抱いていた詩朗読会というイメージを良い意味で覆してくれた。

 関西弁のリズムを駆使して言葉を軽やかに、とても面白く弄ぶ方、音楽をバックに流し自らを語った詩世界を一人芝居的に演ずる方、あるいは聴衆から「お題」をもらってその場で即興的に詩を自作し長々と吟ずる方々。となるとそれは朗読ではなく、まさに西欧の「吟遊詩人」だと気がつく。そんなことが即興で可能なのかと驚き感心させられた。もうそれはもはや「詩人」というより演芸に近いと気づく。大した才能である。
 奥主氏曰く、今回はあえて詩の門外漢の人でも関心を持てる方々に声をかけたとのことであったが、それは大いに成功したと思える。詩がこんなに面白く、また詩のライブの可能性がこれほど多様であることを初めて知ることができた。願わくば詩人の方々に伍する数の観客が来てほしいと思う。それだけが次回の課題かつ問題で、それ以外は今大いに満足している。

 ただこの疲労感は、映画塾とかの時とは格段に違う。自分は出る側でも司会進行側でも今回はなかったが、やはり非常に緊張していた。映画塾は自分は基本的に何一つ関わることはなく、下で懇親会用の料理をもくもくと作っていれば良いだけで、あとは主宰の三留さんと常連客だけで勝手に進んで行ってくれるから大いに楽できる。今回は何かしたわけではないが、お客が何人誰が来るか非常に気になり心配もしたし、その反応が一番心配であった。また詩人たちもほとんど初対面だったこともある。

 今回の懇親会の料理はいつもと逆に三留さんに全て任せたので、彼女は詩朗読に参加できずやや不機嫌でもあった。おかげで大いに助かり自分は詩ライブ専念することができた。彼女には申し訳なかったが、たまには立場逆転するのも一興かと思う。それでも今どっと疲労感に襲われているのだから疲れが溜まっていたことと初めての企画でそれだけ無意識下であれこれ心配していたんだと今思う。

 ともかく無事に終わってほんとうに良かった。そしてフォークと詩の「関係」も太田さんと今回の詩人たちとウマが合ったのか決して悪くなかった。そのことにも深く満足している。それも想定外だった。今思うのは、1960年代後半、京都時代の高田渡や岩井宏たちが、詩人たち有馬敲氏や片桐ユズル氏らとお寺で催していた「ばとこいあ」コンサートに少しでも近づけたか、真似でも良いから似たようなことを企画できたかという満足感、それだけだ。
 さらにマス坊のフォーク活動の相方、最愛のバイオリン担当みほこんとも久しぶりに会えたし今日は良い一日だったと思える。ただ、企画側が満足して「大成功!」とは自賛すべきではないと考える。詩人方も含めて今日来られた方々がどう思い何を感じられたかがすべてなのだから。

 まずは第一回目はこうして無事に盛況のうちに終わった。願わくばこの「詩朗読会」、いや、もはや「朗読」とは呼ぶべきではなく、「詩ライブ」は年に四回はやれたらと考えている。次回は来年早春、もしかしたらまだ寒いうちぐらいに開催できたらと予定している。ぜひ次回こそ、だまされたと思ってご参加ください。

 と、映画塾でも詩朗読会でも何の企画であろうと自分が一番情けなく思うことは、このブログから、これを読んだことで参加してくれた方が未だ一人もいないことだ(友人知人外に)。けっきょく、皆それぞれの出演者側からのツテでお客様は来てくれる。まあ、自らの無名と非力故のことで仕方ないのではあるが、一人でもいい、このブログを読んで関心を持ってご参加してくれる方が登場することが自分にとってまず来年の課題、目標としよう。

 それにしてもこのブログ、ランキングがたまにかなり高い時もあるけれど本当に読まれているのだろうか。最近ふとこれ自体インチキではないのかとそんな気がしている。まっそんな順位など意味がないことはともかく、これからも無頼庵がんばりたい。

 演じる側でもなく唄う側、読む側でもないこの自分にできる唯一のことはこうした場所を提供することだけなのだから。まして商売でやっているわけではないのだから来た人数の多寡ではなく、内容と来られた方皆の質、その偶然の空間、一時だけが実のところ問題なのである。
 今日来られた皆さんは全員誰もが素晴らしく良い方たちであった。※他のイベントの客の質が悪いと言っているわけではない。それはそれ、これはこれ、企画も内容も全く違うのだから比べることは意味がない。

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