戦争を待ち望む者たちの心理の裏に2014年06月18日 09時39分29秒

★「戦争の親玉」復活す。        アクセスランキング: 105位

 今多くの国民が不安におののき、憂い、心痛めても安倍政権の悪法成立の暴走は止まるどころか加速の度を増すばかりだ。こんな無法なことが一個人、一内閣で拙速勝手に次々矢継ぎ早に決められることに憤りが止まらない。
 今日6月18日の朝刊には「医療・介護総合法案」可決、「改正地方教育行政法」可決、「児童ポルノ禁止法改定案」可決などの文字が並んでいた。そのどれもが「改正」とうたっているが、国民の権利を奪いさらなる負担を強い、官憲や公権力に過大な力をもたらす大改悪なのである。

 自らを過信し驕り高ぶり怖れを知らない傲岸不遜な安倍晋三は暴君ネロに並ぶ歴史上の人物となろう。偉業を成しえたからではない。日本を、そして世界を破滅に導いた張本人として後世に名を残すに違いない。彼は偉大な祖父をその悪名で超えていく。

 ただ彼の「暴走」にもわけがある。サンケイや読売などの右派マスメディアに洗脳された国民の支持率も未だ高いことと、その悪法をきちんと審議し撤回を求める反対勢力が国会にはほとんどいないからだ。残念ながら今の国会はごく少数の左派政党以外は全て自民党の補完勢力なのだから。民主も維新もみんなも結いの党も彼らは公明のように連立を組んでいないだけで、自民党に対決するどころか内心は政権に参加したくてしようがない。基本、自民党のやることに真っ向から反対する大義も理由ももともとないのである。また、巨大な与党に立ち向かったって蟷螂の斧という気持ちなのだろう。橋下氏がよく言うように、対決していくより法案成立に協力して成果をとっていくほうがクレバーと考えたか。しかしそれは真の政治家ではない。真の政治家は義人田中正造のようにたった一人でも民のために命さえも惜しまないはずだ。

 民意が正しく反映それない歪んだ選挙制度という弊害があったとしてもそんな国会を選んだのも我々国民なわけで、これからその代償、ツケを払わされる。いや、いきなり煮え湯は呑めと言われたって飲みはしない。カエルを茹でる実験のように、じょじょに鍋の水を熱していけばカエルは逃げ出すことなく気づかないまま茹で上げられ死んでしまう。
 まあ、このスピードで悪法が施行され、現実化していけばいくら鈍いカエルのような国民だって、おや、ちょっと変だぞ、これでは息苦しくて生きていけなくなる、と気づくかもしれないが、そのときは既に遅い。

 安倍晋三の最終目標は憲法改正、自主憲法制定、さらには一党独裁の自民党の半永久政権なのだろうが、それに向けて政権奪還後、わずか一年半でまず喫緊の課題、目標はすべて成し得た、ほぼ達成しつつあるという思いがあるだろう。
 彼らが目指す日本国は、戦前同様に天皇家を頂点として国民が一体一家となって強大な国家権力が民を監視統合する秩序ある社会であり、復活させた強国日本は、軍事大国、戦争国家として東アジアに盟主として君臨していく。
 それはネット社会で隣国人たちに差別的暴言を吐き続ける人たちの理想社会でもあろう。市民生活すべてが国家権力の監視下にあるという社会はどんなものか、もはや戦中、戦前を知る者などごくごく少数なのだからいたしかたないのもしれない。
 「戦争」というものがじっさいはどんなものであるのか。その実態と悲惨さを語り次ぐ行為を続けている方々も今もいるが、残念なことに人間とは現実として体験、体感しないことには聴いたり写真だけでは本当に理解したことにはならないのである。

 こういう自分も焼け跡などの廃墟の風景は戦後の写真集などで見てよく知ってはいた。が、大津波の被災地に行ってみて、その「廃墟」に立ってみて初めて家々が瓦礫と化した広大な廃墟という「現実」がはっきりと理解実感できた。ならばやはりじっさいにまた新たに人は体験してみないと何ごともわからないのかなあ、という思いもある。願わくば生涯戦争などの事態は体験しないにこしたことはないが、「平和」の価値は残念ながら「戦争体験」でしか真に実感できないのではとも思える。

 今フランス・パリ郊外で兵器の国際展示会、ユーロサトリ2014が開催中である。日本も安倍首相の禁輸政策を転換した、先に決まってしまった防衛装備移転三原則の下、テロや災害対策に活用できる装備品の輸出先開拓につなげたいと三菱重工業、川崎重工、日立ら軍需産業10数社が参加しているとのことだ。
 これまでは憲法の制約上、文言として憲法に明記し「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と、国際紛争は武力によって解決をはからないと誓ってきたこの国が今や武器輸出に積極的に関わっていく。何という180度の転換であろう。
 このことは今後は他国に軍備を売り込み戦争によって大企業、軍需産業が儲け栄えてこの国も豊かになるということに他ならない。ゆえに、安倍首相らは海外どこででもこの国も戦争ができる、参加できるようにしたいと切望するのである。彼ら自民党は戦争を待ち望む大企業から多額の献金をもらっているのだから。

 実は戦争こそ最大の産業であり、ひとたび戦争が起きれば民間上げて企業は大儲けができる(それも当事国でなければ、もしくは戦争がすぐに終わり勝った場合の話)。公共事業なんかとはケタが違う金が動く。良く知られていることだが、日本の敗戦後の復興は、朝鮮動乱が起き、その特需景気に沸いたからに他ならない。
 輸出産業が儲かるためにも、大企業、軍需産業からの戦争景気を待ち望む心理がこの国が戦争に加担していく集団的自衛権行使容認を強く押しているのだ。

 残念ながら人は、金のためなら人殺しでもする動物という一面を持つ。しかしだからこそ人が人を殺す戦争で金儲けを企んではならないのではないのか。戦争で儲かる死の商人もいようが、戦争によってまず家を、家族を、自らの命をも失い貧困のどん底に陥る人たちがほぼ全てであるのが「現実」なのだから、戦争という行為そのものをなくしていくことこそが人類の進むあり方だと信ずる。何より人の不幸で肥え太ることは絶対許されてはならないことではないのか。

 「死の商人」の手先、原発輸出の代行者としても安倍晋三の名は後世に残っていく。

戦争の親玉 日本語詞2014年06月18日 12時25分53秒

爆弾をつくるお前さんたち
壁のかげにかくれても机の下にかくれても
あんたの顔はまるみえだ

おいらの世界をおもちゃのように
ひねくりまわしただこわすだけ
いつもかくれてたまがとんでくりゃ
雲をかすみと逃げるだけ

若者たちに引き金ひかせて
死人の数をあんたは数えて
屋敷にかくれる若者の血は
ただ大地に赤くしみこむ

あんたはきっとおいらに言うだろう
世間知らずとまだ若すぎると
でも一つだけわかることは
人を殺すことはゆるさない

名もつけられずに死んでいく子供
かたわのままで生まれる子供
そんな恐怖をまきちらして
お前には血など流れちゃいない

おれたちはしっかり見届けよう
うすら寒い夕暮れに
あんたが墓場に入る時まで
おれはしっかり見とどけよう


※アルバム「関西フォークの歴史」第1集の解説によると
「高石友也とボブ・ディランの最初の出会いとなった曲。訳詞は、当時、大阪労音のフォークソング愛好会がガリ版刷りで出した歌集の中にあったものを高石が唄えるように直したもの」とある。