辛酸佳境に入った、か2016年04月15日 07時01分18秒

★父、大腿骨骨折す。

 先に、共に入院中の老親共に容体は安定してきて、経過良好なのでおそらくこのまま近く退院できるのでは、と記した。
 が、ところがどっこい、そう簡単に、我をとりまくストーリーは簡単には終わらなかった。誤嚥性肺炎のほうは、ほぼ治って来て、おそらく今週末には退院もできるとかもと考えていた父が、昨日未明に、ベッドから落ちた?とのことで、右の足を折ってしまい今はまだ今後のことは何一つ見えない「ふりだし」に戻ってしまった。

 このところ、毎朝早暁の頃、二階の広間に上げて寝かせている老犬ブラ彦の散歩に一度起きる。小便がしたくて、犬が騒ぐので嫌でも起こされる。
 それを済ませて犬は外の小屋に繋いでから睡眠不足を補うためにももう一度短時間寝直すことが多い。眠れなくてもベッドの中に入る。

 昨日の朝は、8時に、まず宅電に電話がかかってきてそれで起こされた。が、受話器をとったら切れてしまい、少ししたら携帯に電話がかかってきた。朝からやや不安な気持ちでその番号を確認した。
 それは立川の親たちが入っている総合病院の看護師からで、息子さんですよね、こちらに入院しているお父様が本日未明に・・・と切り出され、まさかの突然、父の身に何か起こったことを知らされた。心臓が高鳴った。

 看護師曰く、父はベッドから落ちたらしく、当人は何が起きたか記憶にないとのことだが、痛い痛いと騒いでいると言う。意識はあるので頭を打ったのではないことだけ確認したのでほっとしたが、ともかくこれからそちらに行くことだけ伝えた。
 急な発送の用事だけ慌てて終えてから、10時前には立川へ着いた。

 父はレントゲン撮りに地下の階に行ってベッドごと空だった。母の病室に行き、状況を説明してしばらく父が戻るのを待っていた。
 30分ぐらいして戻った父はベッドに寝かされて意識はあったがやや朦朧として、痛い痛いと騒ぐが反応ももどかしく、話しかけても何とも心許ない。何か鎮痛剤でぼうっとしているなら仕方ないが、今はまだ痛みで体を起こすこともできなく、もしこのままならば数日で認知症は一気に進むかと案じられた。
 父が戻って来たので、母連れてもう一度父と対面させたが、母に、じっとして行きゃダメと厳しく戒められても、体はもぞもぞ動かしはするもが、目も薄目の状態で、頭は朦朧としているようであった。
 担当の女医と話した限りでは、このままだとヘンな形で足がくっついてしまうからできるだけ早く手術すると告げられた。階も整形のある4階に移されると言う。
 結局、今日15日の11時頃に、その整形の医師から詳しい説明を受けることになり、いったん家に戻った。

 父は意識も半ば朦朧のまま痛い痛いと言いながら、おしっこがしたいと勝手にオムツを自ら下げて尿瓶を探したりと何でも自分でやろうとしてしまう。帰り道運転しながら考えた。ああいう性格だから父はどうにも手がかかるし病院内とはいえ看護師任せにはできないと思った。
 朝方も何が起きたかわからないが、勝手にベッドから降りようとしてどしんと落ちたのではないのか。看護師たちの管理を責めても仕方あるまい。24時間モニターで監視するわけにもいかないのだから。
 そしてこのまま寝たきりとなって、認知症はさらに悪化することだけがともかく案じられた。そうならないためにも時間の許す限り、父の病室に出向き、話しかけて刺激を与えて、ボケの進行を食い止めないとならない。
 
 母のことも心配だが、まずは母を退院させることだ。父のことは気に病むなとは伝えた。父が骨折する日のまえの晩は、母も体調すぐれず父のところに伺えなかったと言う。それで父は勝手に母のところに行こうとして騒動を起こしたのかもしれないと母は悔いていた。同じ病院にいるからと言って、母に父のことは任せられない。

 「辛酸佳境に入る」とは、その母の母、旧谷中村出身の祖母が、幼少の頃に、田中のおじやんと慣れ親しんだ義人田中正造の残した言葉だ。彼とその谷中村の農民たち、――それは我の祖先なのである――の苦難を思えば、我家の状況はまたさらに悪化したわけだが、こんなの辛酸でも苦労でも何でも何でもない。誰にでも起こるありふれた話であろう。

 ただ、こうした私的な出来事をブログで逐一細かく書いていくことは何とも申し訳なく苦慮している。我は書くことで救われる、助けになることもあるが、読み手の皆さんには不要なご心配をおかけしてしまう。そのことが本当に申し訳ない。
 親たちのことももうこのまま無事退院ということで今回の顛末は終わりにしたかった。皆さんもそれを期待し望まれていたであろう。なのにまたこんな情けない事態を新たに記さねばならないことがともかく辛い。申し訳なく思う。
 どうか、ヒトゴトとして、他人の出来事として、お気軽に、とは言えないが、あくまでも無責任に真剣でなくお読みください。お付き合いください。ごくたまにお読み頂ければ幸いです。

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