「時代」は変われども「世界」は何一つ変わらない2019年04月01日 09時27分50秒

★改元のお祭り騒ぎに浮かれ踊らされるなかれ

 四月一日である。新年度の始まりであり、しかも今日は、特番として菅官房長官による「新元号の発表」がある。
 今日から新しい元号に切り替わるわけではなく、まだ一か月の猶予があるわけだが、もうテレビ欄は、新元号、決定、発表の見出しで「特集・特番」がずらり並んでいる。

 そして何かわからないけれど、オメデタイ雰囲気が新聞やテレビ、マスメディアには早くも漂っている。まあ、天皇という一個人の死で、突然これまで使って来た元号が終わり新たなものに変えられるのも困ったことだが、今回は、そうした不慮の事態なく、スムーズに移行する特異なケースだからそれはそれで目出度いという気分なのであろう。そう、誰も死なないことは良いことだから。

 おそらく、何でだかわからないけれど、安倍政権の支持率もまたこれで回復するのではないか。ご祝儀相場というようなもので、日本人はお祭りが好きで、そうした気分にすぐ我も我もと踊らされてしまうから。

 しかし、実は何一つこの現実世界は変わらない。新元号が何に決まろうとおかまいなしに辺野古の海には土砂が投入されて埋め立ては進んでいく。国民の多くが新元号、そして東京オリンピックに浮かれ気持ちも目も奪われている間に。
 そしてこの4月から新聞代から食料品まで何もかも値上がりする。原材料費の高騰とかが理由とされているが、要するに消費税アップ後の値上げは、さらなる価格アップとなって抵抗が強くあるだろうから今のうちに、である。企業とはそうしたものだ。
 これで消費税が10%になれば、どうやって生活していけば良いのだろう。ウチなど考えただけで憂鬱になり我はまたお腹が痛くなってくる。
 そう、新元号になってもちっともオメデタイわけではなく、さらに生活は苦しくなり世界は破滅と混迷の度を深めていく。特に安倍とトランプの政権が続く限り。欧州も英国発の混乱が続いている。

 新元号が何になろうと、実際の国民生活には何一つ変わりはない。新時代に期待と希望の気持ちを込めるのは人の心理であり、当然のことだが、ならばこそ、真に世界を変えてほしいと望み願うのならば、まずは行動あるのみだ。何もしないで新元号を祝いそこに期待しても無意味でしかない。
 幸いこの社会を動かしている「政治」そのものを変えるチャンスが今年はある。まずは全国各地の統一地方選挙であり、今夏の参院選だ。

 どうか誰もが棄権することなく、その一人の一票の権利を行使してくれることをただ願うのみだ。この現実世界を変えたいと少しでも考えるならば、まずは選挙に行くことからだ。

安倍政権の意向に沿い、忖度された!?新元号?2019年04月01日 19時14分15秒

★「令和」に思う。

 新元号が発表された。政府の御用学者や文化人、マスコミ関係者は、誰も異口同音に綺麗な「良い元号」だと口を揃えている。
 ひねくれ者の我は、正直なところちっともそう思えない。奇異というか、何かまとまりの悪い、やや不穏というか不安な気持ちにさせられる。
 発表直後、安倍首相が自らしゃしゃり出、そこに期待の意味をあれこれ込めて語ったこともヘンな気がするし、その彼の「解説」は自民党の政権広報によく似ていると思うのは我だけか。要するに素晴らしい「美しい国ニッポン」という思いが込められたということだろう。
 ※その後、NHKは夜9時からの「ニュースウオッチ9」の中で、安倍首相をゲストとしてスタジオに「お招き」して約30分間も彼に好き放題に話させるという「安倍特番」を提供した。こうした改元を利用した安倍政権礼賛の偏向報道姿勢には今さらながら深く憤りを覚える。

 しかし、昭和もそうだったが、使いなれない言葉であってもしだいに時間と共に慣れ親しんで奇異にも変にも思わなくなるのが「言葉」であり、平成がそうであったように、もしかしたら後になると良い元号だと多くの皆が思うときが来るのかもと思える。

 ただ、「令和」という言葉のみからは、安倍首相が言うような良い意味を「解釈」するのは難しいと我は考える。それは「令」という字である。
 字義としての「令」には、彼が期待する良い意味もあることはある。しかし、「令」の第一の意味は、「法令」などの「令」であり、法律とか決まり事を意味する字なのである。
 つまり漢文的に読み下すならば、令シテ和トナス、であり、法律によって取り締まって国をまとめるという意味となる。つまるところ昔で言うところの治安維持法のことだと拡大解釈もできる。
 近づくオリンピックを前に、テロ対策の名のもとに共謀罪をはじめとする国民を取り締まる「悪法」を次々数多く強行採決で成立施行してきた強権安倍政権である。新元号「令和」とは、そうした安倍政権の今後の意向を鑑み「忖度」された元号だと深読みする我は、オカシイのであろうか。 
 そうそう、「令」という言葉に違和感というか我に不安な気持ちが湧くのは、それが「令状」「命令」「号令」などの「言いつけ」「命ずる」意味の「令」だからだと気がつく。字義的にはそれこそが筆頭の意味として多くの字典に載っている。そうして「和トス」のである。
 つまるところさらなる「強権国家」の意味、安倍晋三の願いを込めた元号ということだろうか。