世界はISとの全面戦争へと?2015年11月15日 09時29分51秒

★日本人は殺し殺される覚悟はできたか     アクセスランキング:137位

 パリで起きた同時多発テロで心中乱され今も考えはまとまらない。一つだけ確実なことは世界は破滅にまたさらに向かっているということだけだ。

 自分にとって、日本ではない国の中で、アメリカを除けばもっとも慣れ親しみ、今も言語も含めていちばん知識がある国はフランスだと言えよう。※アメリカはデフォルトとして子供の頃から米軍基地と近所の米軍ハウス、さらに親たちも立川や横田基地に勤めていたため「外国」だと子供の頃は認識されていなかった。
 そんな我の最終学歴は、アテネフランセ中退であるし、もう何年も前になるが一番近く行った海外旅行はやはりフランスだった。いや、回数だけとってもいちばん数を重ねたのはフランスなのだ。そしておそらくこれからも生きてい限りまた訪れる西欧はまずはフランスだと断言もする。

 だから今回のテロ事件の現場箇所もほぼあの辺りだと検討もつく。ショックだとか恐怖とか以前に、先のシャルル・ウブドのときのテロ事件もだが、仏国を含め西欧諸国のこれからとテロが世界中に拡散していく現実とそれに対峙する西側陣営揃っての「テロとの戦い」の行く末に深く深く危惧を覚える。

 フランスとフランス人というのは、アメリカやイギリス人のようにすぐ頭に血が上るアングロサクソンではない。スペインやイタリア人ほどゆるゆるのラテン気質ではないが、基本常に鷹揚で議論を好み中庸と中道に立つ。リベラルを棟とするが過激さは望まない。

 だから即、ブッシュのように、犯人とされるISに対して報復戦争を仕掛けるかどうかは国民性において難しいと思うが、それでも先のトルコの件もあり、西欧自由主義陣営は、おそらく米英主導でさらにISという「国家」との戦争に本腰を入れていくと思える。むろんフランスもそこに積極的に連ならないわけはないし、戦争法が出来た日本も集団的自衛権でないとしてもさらにその先頭に様々な形で加担していくことは間違いない。
 そしてそのとき、ISの矛先は、彼らにとって敵となったこの日本にも当然向けられるだろう。今年の初め、ジャーナリスト後藤健二さんらがISに拘禁されて残忍に殺されたように、まずは見せしめとして海外にいる、さまざまな人道支援活動をしている日本人が襲われ殺されていく。そしてやがてはこの日本国内東京都心や大都市でも今回のパリのようなテロ事件は起きる可能性はとても高い。

 むろん日本は西欧のように移民を受け入れている多民族国家ではないから、街中やスタジアムで一見外国人とすぐわかる男が銃を乱射したり立てこもることは簡単にはできない。しかし、どれほど警戒に務めようと今のハイテク機器の時代は、ごくごく小さな小型爆弾を用いて郵便物などによるテロ行為など手段はいくらでもある。

 偽クリスチャン曽野綾子などに言わせれば、だからこそ外国人移民など絶対受け入れてはならないと胸を張るだろうが、外国人を移民として受け入れないとしてもいくらでも観光客として東京オリンピックを前にして外人を招き入れたいのが日本の現実なのだから、同時にテロリストもいくらでも入り込んでくる。
 結果として、有色系のみならず、白人でさえも一目でガイジンというだけで、排斥したり恐れるあまり嫌がらせや差別したりという風潮が起きてくる。日本で生まれ日本語がペラペラでもテロリストだと目されたらどんな嫌な目に遭うかわかりはしない。そうした疑心暗鬼の世の中が来ることを怖れる。

 これまでの日本は、戦争のための軍隊は保持せず、紛争解決のためには戦争はしないと記した平和憲法という「防御服」をまとっていた。よって、朝鮮戦争のときもベトナム戦争も現実的には当事国アメリカに加担はしたものの韓国のように直に戦争参加は免れた。
 が、今もまだ平和憲法はかろうじて残ってはいるけれど、それを安倍晋三たちが脱ぎ捨ててしまった今は、後方支援だろうが戦争の当事国として一員にならないわけにはいかなくなってしまった。

 ISであろうとどこであろうと、日本本土が攻撃も受けていないのに、その国、支配地域を攻撃したり、他国のする戦争に加担してしまえば、「敵」は日本も彼らの敵国として様々な報復攻撃を仕掛けてくる。それが戦争というものだ。
 戦争法はできた。これで日本の安全保障は万全だと安倍晋三は胸を張った。が、現実の話、ひとたび積極的平和主義としてさらに積極的に戦争に加担してしまえば、これから日本人は海外で、そして国内でもテロの恐怖に怯えなくてはならなくなっていく。

 むろんテロには屈せずISなる真のイスラムとはまったく関係のない無法テロ組織とはこれからも戦い続けなくてはならない。が、戦争法に則って戦うということは、報復も覚悟のうえで、殺し殺される戦争に参加していくことでしかない。自公政権を支持した人たちよ。その覚悟はあるのか。平和の党と池田大作先生は戦争を望んでいるのか。

 今こそ、安倍晋三たちが脱ぎ捨て踏みにじってしまった古い上着「日本国憲法~九条」を日本と日本人は再び拾い上げてしっかりとまとうべきだと信ずる。さすれば誰も殺さず殺されることなどないのだから。
 そして日本が本来すべきことは平和憲法という外套をもっと量産して他の紛争当事国の人たちに配給することではなかったか。