9000人の同志たちと思い新たに2015年11月20日 01時09分03秒

★戦争法ができてから二か月目の国会前で

 疲れて帰路途中で西荻のみ亭に寄ったりして、家に戻ったのが遅く日付は変わってしまったが、19日の国会前の報告をしたい。

 暖かい晩秋の木曜日の夜だった。9月19日未明の戦争法案が成立して以来、二か月ぶりの国会正門前に行ってきた。先月の19日は何していたか思い出せないが行けなくて、ようやく二か月目にして再びこの地に立つことか出来た。
 正直なところ、悪法といえどんな手段であれ国会で「成立」してしまったからは、冷め易い日本人のこと月一定例とはいえ今さら国会前に集っても意味ないと来る人も少ないかと案じていた。ならばだからこそという思いで向かった。

 が、平日木曜の夜にも関わらず、通いなれた国会正門前のイチョウ並木の歩道には次々と様々な団体、そして個人が集まって来て集会半ばでその数9000人と発表された。じっさいそのくらいかもっと来ていたかもしれない。悪法成立前と相変わらずの熱い人の集まりであった。
 前回一か月前の10月19日は9500人であったことを思うと、これは実に素晴らしい希望ある数字ではないかと嬉しく思う。シールズ関係と思われる若者たちの姿はほとんど今日は見られない分、どうしても時間的余力のある高齢者層が目立ったけれど決して悲観すべきではないと我は考える。
 それこそ今日はこの運動の「地力」として、二か月過ぎて平日の夕刻からだとしても一万人近くの人たちが自らの意思で変わらぬ怒りと熱い変革の思いを抱いて集まって来たのだ。ならば土日の昼間の集会ともなればまた10万人を超す同志たちが必ずや集まるに違いない。そう思わせる熱気があれから二か月過ぎてもここ国会前にはあった。

  私ごとを言えば、仏国の同時多発テロ以後、「テロとの戦い」についてどう判断を下すか迷い思い悩むところもあったが、今日ここ国会前での様々な発言者のスピーチを聴いて迷うところは消え失せた。テロリストとはいえ、彼らを殲滅すべく戦争を仕掛けるという行為こそが世界中にテロリストをまき散らす根源であり、根本的な問題解決には何一つならないという我が思いに確信が持てた。

 フランスにしろトルコであれどこであれテロリストのしたこと、彼らのすることには理解も同情もまったくできやしない。しかし、彼らは愉快犯でも自殺願望の狂人でもない。仏メディアとかがいみじくも例えたように「カミカゼ特攻隊」のごとく、自らの死さえも恐れぬやむにやまれぬ強い思いに駆られてこうしたおぞましいテロに向かうのである。
 問題とすべきは生粋のテロリストの家に生まれ育ったわけでもないのに、テロリストに共鳴し志願する者たちが何故に世界各地に新たに生まれ続けて行くのかだ。そこには差別と貧困、そして抑圧が常にありその怒りと憎しみが体制側、支配層、ひいては権力者、国家の指導者のみならず支持した市民にまで無差別に向かうのである。よって彼らは結果としてテロリストの一味となっていく。

 フランス首脳が報復として、ISの支配地域を空爆し武力によってテロリストを一人残らず殺したとしても、差別や貧困からそのようなテロリストに向かってしまう若者たち、テロリストを生み出す「温床」を社会からなくさない限りこれからもテロリストはまた新たに生まれ続けて行く。それはタリバンでもアルカイダでもISでもなくまた新たな名前と指導者を名乗り、社会から落ちこぼれ疎外された者たちを広く集めていくことだろう。

 日本では今はまだ社会から疎外され見捨てられた孤独な若者は自暴自棄となり自殺願望の挙句についでに誰でも良かったと他者を殺害するなどの犯罪に及ぶ。だが、これからはそうした者たちを集め募り組織化する和製ISも生まれるかもしれない。ガイコク人だからテロリストとなりテロを犯すのではない。社会や体制に強い不満と憎しみを抱く者が生まれ、彼らを救う道がない限りどこの国だってはけ口としてテロリストは生まれテロは起きる。
 
 愛する者、大事な人を殺されれば人は怒りと憎しみを抱き報復を誓う。しかしその報復の攻撃で殺された者の仲間や家族はまた再び報復を誓う。怒りと憎しみの連鎖はあたかも童謡「ヤギさん郵便」のように永遠に終わりなく続いていく。ブッシュのアメリカが、9.11の後に報復としてテロとの戦いを公言して始めたアルカイダとの「戦争」が、結果として今の世界中にテロリストを拡散させる原因となったことを思うとき、有志連合だろうが何であろうが、いくらISの支配地域を空爆しようとテロの脅威は決してなくならないと断ずる。

 そしてフランスパリで起きたことが日本では何故起きないのかを考えれば、それは移民を受け入れていないからではなく、今現在は直接ISらテロリストたちから直の憎しみを受けていないからに他ならない。今はまだ警告されている段階だが、これで集団的自衛権行使としてアメリカと共に後方支援だろうがIS攻撃の連合国に正式に仲間入りし「戦争」当事者となれば日本も彼らの標的となってテロはヒトゴト、西欧諸国だけの出来事ではなくなろう。

 日本は戦後70年もの間、戦地に軍隊を出し戦争で誰も殺すことなく殺されることはなかった。そこには平和憲法があり不戦の誓いを記した九条があったからだ。それをわざわざ大バカ安倍晋三は国会議員の数の力に驕り、解釈を自ら勝手に変えて、集団的自衛権の行使容認、海外でも日本も戦争ができるはずということに変えてしまったのだ。
 それもわざわざ国際貢献とか積極的平和主義とか屁理屈つけて、世界でも類のない軍備と戦争放棄という崇高な理念を掲げていた日本という特別な国家を他の国同様のフツーの戦争国家へ格下げしたのである。だが、今ならまだ間に合う。絶対にこれからも海外で戦争しない、させない、と国民が声を上げ続け、そして戦争法をすぐに廃止すれば、日本では仏国のようなテロは今後も起きる可能性はまずなくなろう。

 そしてそのうえで、真の積極的平和主義として日本国憲法を他国へも示し広めていけば良いだけの話なのだ。日本国憲法の理念を世界各国が共有すれば、そもそも貧困や紛争、差別はなくなる。民族や宗教はなくなりはしないまでもそこで争いは起きない。まさに亡きジョン・レノンが想像したような世界が地球を包む。そのとき世界は一つになる。

 そんなことを今日国会前であれこれ考えた。もう迷いはしないし怖れもしない。来月の19日もギター持っていく。今日も前の時のように多くはないが、見知らぬ人たちが共に唄ってくれ、新たな仲間も生まれ再会を約束した。我がうたはここから始まった。この闘いと共に続けていく。

 今ある「現実」しか見ない現実論者はつまるところ現実すら変えられない。世界動かし変えて行くのは「理想」を持つ者だけなのだ。

11.29は辺野古に基地は造らせない日比谷大集会へ2015年11月20日 18時02分49秒

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