「動かない機械」を動かしていく2019年04月16日 23時17分57秒

★愚痴ではなくありがまま記していく

 死とか病気、身体の不調・不具合のことを書くと、暗いとか、またかとうんざりされることが多く、拙ブログとしてもどう書くべきか迷うけれども、現実の話、歳とった人生には、楽しいことや愉快なことなどは少ないわけで、特に我のようなごく狭い小さな世界で生きていると、いきおい「話題」は、そちらに向かってしまう。あるいは憤る「政治」のことだが、そのどちらも不人気で、書くとランキングが下がるのは目に見えてわかる。
 しかし、そんなで書きあぐねて更新怠ると、またマスダは寝込んだか、何か不測の事態がついに起きたかとご心配される方も多少はいるかと思うので、とにもかくにも今思うことを書けるときに書いていこうと思う。


 それは何も「機械」でなくても良いわけだが、動かない機械、動かなくなってしまった機械があるとして、それを動かせるのは、詩人など言葉の夢想家か思索家だけであろう。
 現実の話として、そうした困った「機械」があれば、それは不燃ゴミ的扱いでゴミとして捨てて処分するしかない。
 最近、つくづく思うのは、人間というものもひとつの機械であり、頭は、コンピュータのハードディスクのようなもので、身体は、自動車の類だということだ。
 頭の方は、そもそものスペックも関係していることだが、その容量がいっぱいになれば、いつかはフリーズしたり誤作動してしまう。身体も、長く使用しているとあちこちに不具合が出て来て、エンスト的状態が起きたり、最期は、エンジンそのものがかからなくなってしまう。
 いまは、車検的な意味で、人間ドッグやメンテナンスの機会もあるわけだが、機械は部品の修理・交換もきくが、人体のパーツの交換はまだ難しい。
 そして最後の最後は、どうにも手の施しようがなくなり人間も「廃車」となる。そう、ヒトは、「廃人」であろう。頭のハードディスクも止まり全身の「死」を迎え、火葬場で焼かれ骨壺に入るだけの骨と化してそれだけが残される。
 そう、それが誰にでも同様に起こること、人生。

 いま、我は、父という「動かない機械」を抱えてどうしたものかほんとうに頭痛めている。
 まだ、完全に動かなくなってしまってはいない。ほとんど動かない、機能しなくなってはいるけれどもまだ少しは動くので、それで手を焼いている。風前の灯、という言葉があるが、父の場合は、しかも燃え尽きそうになるロウソクのそれであり、残った滴り落ちた蝋のところに短い芯がかぼそく揺れ動いている状態と言ったところだ。まだ火は消えていないが、まさに今にも消えそうである。

 人の死に行く姿をこの歳になると数多観て来たわけだが、進行性の病気での死の場合は、当人も辛いし周りも辛いが、まだそこに「物語」的な流れがある。
 しかし、父のように、超高齢になるまで生き永らえてきて、特に死に至らしめる病などない場合は、頭も身体も全身全体が老化により衰弱し劣化していく。「老衰死」という言葉はあまり聞き慣れないが、まさに「老衰」の挙句としか言いようのない状態となって来てしまった。
 こういう例は珍しいと思うし、周りにもなかなかいないのではないか。人が死ねば、たいていは「死因」としての何らかの病名などの「原因」があるのだから。プロレスで言うところのスリーカウントをとられた「技」の名前である。父の場合のそれは「老衰」ということになる。いや、試合はノーコンテスト、不成立ではないか。それでも試合は終わるのである。

 今年に入って父はますます足腰が萎えて衰えてもう自力では椅子から立ち上がることもできなくなってしまった。仕方なく息子である我が抱き起して、支えて家の中を歩かせて移動させているわけだが、それで先日はギックリ腰になった話は記した。
 食事も吞み込みが出来なくなり常に咽るから、柔らかい食べやすいものを作って摂らせているが、それでも食べさせるだけで一苦労、時間がすごくかかる。
 しかもこのところは、食事中にうつらうつら眠ったりしてなかなか食べてくれない。さらに排便も自らでは自覚がなく、こちらで薬で調整して出すようにしないとますます食事が進まない。
 オムツの交換は、出来るだけ施設側でお願いして、向うで出るように下剤呑ませているのに、何故かこのところ向うでは出ないで家に帰ってくるとたっぷり出ることが多い。
 そんなで、昨日は、二泊三日のお泊りから帰宅後、夕方仮眠とらせて晩飯を出したところ、便が溜まっていたからか食事がちっとも進まない。無理して促し何とか食べさせていたら、挙句に突然また全部吐いてしまった。せっかく父の好物のマグロの刺身を買ってきたのに。まったく、もう!

 始末を終えて、本人ももう食べない、疲れた、もう寝る、というので、九時過ぎだったが、抱き起して洗面所で部分入れ歯を外させようとした。が、本人は入れ歯を出すことも失念していて、そのまま歯ブラシで口の中を磨き出したので、我が口の中に手を入れて入れ歯を取り出そうとした。
 ※先日はそれに抗った父に、噛みつかれて指から血が出たこともある。父は高齢にしては、大正生まれの昔の人らしく、歯は頑健なほうで、まだかなり自分の歯か残っていて上下とも総入れ歯ではないのである。
 その取り出す際に、ブリッジ式の金属の一部が折れてしまい、二つある入れ歯のうち、上部の大きいほうの入れ歯が二分割されてしまった。あ~あ、である。本人も大騒ぎしている。

 入れ歯がないことには、雑炊とかおかゆ状のものしか食べられないので、明日でもかかりつけの歯医者に朝一で電話してすぐさま修理してもらうしかないと決めた。
 そしてトイレで履いてる紙パンツを交換させてベッドに寝かしつけようとしたら、歩いている途中に軟便を廊下に垂らすほど、紙パンツの中は、たっぷり排便があり、履いてた衣類も全部汚れている。父の下腹部を拭くのも含めてその後始末にかなり時間とられた。

 しかも当人は、壊れた入れ歯と、便で汚れたため洗う衣類と意識が混乱混濁したようで、それは捨てるな、明日持っていくから、と騒ぎ出して、鎮めるのにまたさらに我は疲弊した。もはや完全に「狂人」である。
 そして何とかパジャマに着替えさせて寝かしつけたわけだが、一時間も時間とられて我も疲れ果てた。その晩は、気が昂ぶりベッドに入っても明け方近くまでなかなか寝つけなかった。

 ※もう一回この稿書き足します。

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